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｢……かみや｣
｢なんだ｣
｢作ったの……？｣
｢見ればわかるだろ｣
湯気の立つすまし汁、鰆の西京焼き、白和え、千枚漬け。
思わずお腹が鳴りそうだったが、私は神谷のスペックに戦いた。
｢ひえっ……｣
｢なんだよ｣
｢その顔で、そのスタイルで、仕事ができて、料理もできたらまずいと思う……私の立つ瀬が……｣
｢元々無いだろ｣
｢やめて｣
さらりと言われた言葉に若干ダメージを受けたが、鰆と千枚漬けは買ったもので、白和えは私の作り置きで、作ったのはすまし汁だけだとわかり少し安心した。
白米をよそい、飲み物を用意しようとしたところで、冷蔵庫に見慣れないものを見つける。
｢……これ｣
｢ああ、好きだろ｣
ケーキの様な箱。その側面に印刷された文字を読む。
｢堂島ロール……！｣
思わず大きな声が出たが、慌てて神谷を振り返る。
｢なに？なんで？｣
神谷は一瞬こちらを見たが、素っ気なく言った。
｢目に付いた｣
｢……へえ｣
生クリームをふっくら包み込んだロールケーキを思い出して頬がゆるんだ。しかし理由はそれだけではない。神谷は目に付いたからと言ったが、これはスーパーではなく駅に向かわなければ買うことはできない。神谷は常に自動車で移動している。これを買うためには、わざわざ駅まで出向かなければならないのだ。ゆるんだ頬を隠せずにいると、神谷は眉根を寄せた。
｢後にしろ。冷めるから早くしてくれ。｣
｢はあい｣
食卓に着く。
神谷と向かい合って座ることはあれど、向かい合って食事は久しぶりだ。恋人っぽいな、と心の片隅で思って、すぐにかき消した。
あんまり幸せになってしまうと、それを無くした時が怖いから。
そんなことを思いながら、いただきますと唱えた。
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美桜(プロフ) - 続きがとても楽しみです！^^* (2023年1月26日 11時) (
レス) @page16 id: 3c71fa7893 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 12話に誤字がありました。「操作資料」ではなく、「捜査資料」です。 (2019年9月22日 22時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：依香 | 作成日時：2019年9月15日 3時
