33日目 ページ5
「Aちゃんの水着姿…いいなって思っちゃったんだもん」
…えっ。
「え…？」
また思わぬパワーワードにフリーズする。
「だ、だからね…旅行もっと楽しみになっちゃっただけなの」
自分で言った言葉に彼はみるみる赤くなる。
「そ、そんな期待しないで！」
「期待しちゃダメ？」
いつの間にか出来上がっていた甘ったるい状況になんだか上手くついていけなくて思った言葉を吐き捨てる。
「だ、だめ！」
「んーそっか」
なんだかまたしゅんとする。
三郎くんって照れたり落ち込んだり表情がコロコロ変わるなぁ…
「でも…」
「？」
「楽しみにしてるくらいは許して」
「そ、それは期待してると変わらないんじゃ…」
「んふ、そうかも！」
彼はさっきのしょんぼり顔から打って変わってなんだか楽しそう。
「んー！めちゃくちゃ楽しみになってきちゃった！」
そう言うと彼は私をぎゅーっとする。
まるでぬいぐるみを抱きしめる時みたいに。
「さ、三郎くん！？」
唐突のハグというスキンシップにどうしよう…と戸惑っていたら…
「コーヒー、冷めるんで早く運んでくださいよ。」
上から四郎くんの声。
「ちぇー、しろったらヤキモチ焼き！」
「あなたが勝手に抜け駆けしたんでしょうよ！」
そう言うとするりと三郎くんの腕がほどかれる。
私はちょっとだけほっとする。緊張が解けていく。
「こら、A」
しかしほっとしたのもつかぬ間、立ち上がった瞬間四郎くんにべしっとデコピンされる。
「いった！もう、なにすんの四郎くん！」
「あんたの緩さに腹立ったからですぅ〜」
いつもと変わらず、四郎くんの意地悪攻撃が炸裂。
「とっととそれ運びますよ。」
そう言うと6つのコーヒーカップが乗ったおぼんをリビングへと持っていく。
「いいよ、私持ってくから」
「Aはお砂糖とミルク持ってきてください」
彼は確かに意地悪だ。ちょっと意地悪で計算高い。
でも…
「ありがとう、四郎くん。」
「…別に。」
ちょっぴり優しい。
私のありがとうを聞いた後、四郎くんの猫っ毛がぴょんと跳ねた気がするのは…
多分見間違いじゃない。
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ゆめ - すごく面白い作品ですね！読んでて楽しかったです！ (2020年11月14日 18時) (
レス) id: 49abb5db6b (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんばんは☆とても面白くて☆MAXです♪更新楽しみにしてます(^ー^) (2019年8月18日 2時) (レス) id: a884a0770b (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - とっても面白いです！更新頑張ってください (2019年8月12日 1時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - とても面白く続きがすごく気になりなりました！更新頑張ってください(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: aa2eff3fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はやま | 作成日時：2019年3月8日 21時
