42日目 ページ14
ガチャ…
「あれ、みんなどしたの？」
そこには浴衣を持った舞賀家。
「俺ら先に風呂入ろうって思ってたんだけど、Aちゃん行くかなぁって」
海で遊んだから疲れているはずの次郎くん、それを感じないほどの爽やかな笑顔。
「黙って行っちゃうとA部屋に1人だろ？」
「なんかあった時とかおいら達駆けつけられないじゃん」
次郎くんに続いて五郎くんと一郎くんが説明を付け足す。
うう…なんて優しいのだろう。ちょっぴりその優しさに感動してしまう。
「あ、でもAちゃんの覗き見とかじゃないからね！」
まさかの三郎くんの一言にその感動はひゅっと引っ込んだ。
「ちょっとさぁ…ほんとさぶ兄ってバカでアホなんですね。」
そんな三郎くんにバシッとツッコミを入れる四郎くん。
「みんな覗きとかしないって信じてるので。」
にっこりと笑う私にみんなはピシッと背筋が伸びた。
なんか動揺してる様な…まさかほんとにそんな事考えてたんじゃないでしょうね。
「まあ、私も風呂行こうと思った所だったし…行くけど…」
一抹の不安を覚えつつ、私は彼らと同じタイミングでお風呂へ向かった。
お風呂にはまだ数人しか居なくて伸び伸び入れた。
そして露天風呂はほぼ貸し切り。
温泉ってやっぱり普通に入るお風呂よりなんだか暖まる気がする…
1人ほっこりしていると、隣から何回か三郎くんのギャァァという叫び声が聞こえてきて…なんだか無性に恥ずかしくなった。
お風呂から出ると、舞賀家のみんなは自販機やアイスが置いてある広間のベンチに座っていた。
みんなところに駆け寄ろうとすると…数人の女子グループとお話していた。
(…まずいかな、これ…)
なんだか悲しいけどみんな盛り上がってるように見えて、私はひとりで部屋に帰ろうとソロっとエレベーターに向かっていった。
ピンポンとエレベーターが開く。
後ろに並んでいたおじさんやおばさん達も私に続いて乗ってくる。
そこそこ人が多くて少し密着、不可抗力だけどあまり落ち着けなくて…
(みんなのバカ！)
べつにみんなは悪くないのにひとりで愚痴を心のなかでポロポロと零す。
私が子供なんだ。別にみんなが誰と話してたって私はすまし顔してればいいのに…
エレベーターの扉が閉まろうとする。
なんだかもっと寂しくなって俯いて目を瞑った。
まさかその瞬間、私がエレベーターの外に引っ張りだされるとは思わずに。
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ゆめ - すごく面白い作品ですね！読んでて楽しかったです！ (2020年11月14日 18時) (
レス) id: 49abb5db6b (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんばんは☆とても面白くて☆MAXです♪更新楽しみにしてます(^ー^) (2019年8月18日 2時) (レス) id: a884a0770b (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - とっても面白いです！更新頑張ってください (2019年8月12日 1時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - とても面白く続きがすごく気になりなりました！更新頑張ってください(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: aa2eff3fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はやま | 作成日時：2019年3月8日 21時
