39日目 ページ11
一郎くんから呼ばれて私は今もりもりお肉を食べている。
食べるって幸せなことだと噛み締める。んまい！
「お前ってほんと美味そうに食べるよな」
そう言われた方を見ると髪の毛を後ろにハーフアップした五郎くん。
「うん、めひゃくひゃおいひー！」
「ははっ、言えてねえよ！」
五郎くんにペしんっと頭を叩かれる。
なんだかこの空間にホッコリしちゃってえへへと笑う。
「あ、A…」
「？」
「タレ、口元についちゃってる」
「え、うそ」
五郎くんの思わぬ指摘にティッシュでタレを拭き取ろうとする。
「違う違う」
上手く拭えない私をケラケラと笑う五郎くん。
「こっち」
そう言うといつの間にか私の口元のタレを五郎くんが指で拭ってくれた。
そして、それをぺろりと舐めた。舐めた…舐めた？
「ご、五郎くん！？」
「ん？」
「なめ…ちゃ」
「いいじゃんこれくらい」
いいんだこれくらい！？
なんて1人で彼の少女漫画な行動にびっくりしていると『お肉追加で焼いてくる』と五郎くんが離脱。
「生ける少女漫画…」
その背中を見てぽつりと呟いた。
「そうだね、ごろちゃんはかっこいいねえ」
「モテるのわかる…って一郎くん！？」
気付いたら一郎くんが後ろに居た。
「おれ、ずっと居たよ？」
「ご、ごめん一郎くん…」
そう言うと一郎くんは肩に頭をぽすんと乗せる。
「はぁ〜おいら疲れちゃったぁ」
これは猫なで声…と言うやつだろうか。
たしかに一郎くんは五郎くんと共に珍しく働いていた。
「お疲れ一郎くん！そろそろ眠い？」
「ねむい」
彼の声は心做しか呂律が回っていない。これは本気で眠そう。
そうと分かれば一旦食べるのを中断して彼をシートの上に寝かそうとする。
彼の頭を退かして支える。
そしたらすぅっと彼の目が薄く開いた。
「一緒にねよ？」
「え、一郎く…ひゃ！？」
彼は『スキあり！』と小さい声で呟くと私ごとシートの上に倒れる。
あまりにも一瞬の出来事だったけど今私が彼の抱き枕にされているのは安易に想像出来た。
と、同時にまた恥ずかしさが戻ってくる。
上にパーカーを着ているとはいえ下は水着。そのパーカーも薄手。
つまり私は今ほとんど何も着ていない。
「いちろーくん…」
「んー？」
彼にきゅっと抱きしめられて少し暑い。
「暑くないの？」
「暑くても気にしない」
「私ね…」
「どしたの？」
「ちょっと恥ずかしい…かな」
どうしようもなくて彼に本音を打ち明ける。
そう言うと彼は何故か満足そうに笑った。
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ゆめ - すごく面白い作品ですね！読んでて楽しかったです！ (2020年11月14日 18時) (
レス) id: 49abb5db6b (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - こんばんは☆とても面白くて☆MAXです♪更新楽しみにしてます(^ー^) (2019年8月18日 2時) (レス) id: a884a0770b (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - とっても面白いです！更新頑張ってください (2019年8月12日 1時) (レス) id: 7d376a875d (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - とても面白く続きがすごく気になりなりました！更新頑張ってください(^^) (2019年7月16日 21時) (レス) id: aa2eff3fe1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はやま | 作成日時：2019年3月8日 21時
