舞賀家との暮らし方【ars】 (ページ9)

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4日目ページ9

そして私は彼らに一郎くんやその場にいた五郎サンから逃げてきた理由を話した。
彼らはすごく共感してくれた。だから帰り道は少し遠回りだけど人が少ない裏門から帰ってきた。
一応2人共砕けた喋り方に変えてくれて構わないと言ってくれたので次郎くんと四郎くんって呼ぶことにした。

そして現在、舞賀家の前。

「ほ、ほんとにいいのかな…」
「ええ？何言ってんのよ今更！いち兄あれだけAチャン探してたんだから俺らにとっても結構大事なことなんじゃないの？」
「それに三郎だって一郎くんのLINE見てかなり焦ってたみたいじゃん。」
「うわぁ～も～初っ端からやらかしまくってる…」

かれこれ1分くらい玄関でとどまってたら勢いよく玄関の扉が開いた。

「あ"ー！！！玄関の方に誰かいるって思ったらやっぱりAちゃん！！めっちゃ探したんだよ俺！？」
「わ！？三郎先輩！！」

そのままポーン！と飛び出してきた三郎先輩に肩をガッチリ掴まれてすごく揺さぶられた。相当彼には迷惑かけていたらしい。

「こらさぶ！Aちゃん酔っちゃうから！とりあえず家入れてからね。」

隣にいた次郎くんの牽制により私はギリギリ生き残れた。ありがとう次郎くん。

「おじゃまします…」

･

「なるほどなぁ…そういうことだったんですね」

あの後お家に上がらせてもらって舞賀家に今の私の状況を話した。
話を聞いたあと、少しの沈黙があったけどそれを破ったのは四郎くんだった。

「てゆかいちくん！これじゃお客さんって言うより家なき子拾ってきたって方が正しくないですか？」
「ん～…そうかも？」

ご名答です。きっとお客さんと言うよりは家なき子が泊めてくれと彼らにお願いしているの図の方がしっくりくる。

「でもさぁ…」

さっきまで明るかった空気が一瞬でピリッとする。彼…五郎サンの声色は少しだけ低いように思えた。

「自分で言うのもなんだけど…俺らさ、大学の中でもなんか有名じゃん。

まさか重度のファンとか、そういう訳じゃないよね？
アンタが面倒な事考えてたら俺は今すぐでも追い出すけど。」

「面倒な事って…」

面倒な事。まあぶっちゃけアレでしょう？こう、盗撮とか色恋沙汰目当てとか…
五郎サンの一言でちょっとだけみんなの表情が曇った。