舞賀家との暮らし方【ars】 (ページ19)

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14日目ページ19

次の日の大学でのお昼休み。
今日は五郎くんにご飯一緒に食べようって誘われてて今、五郎くんのところに向かっている。

ちょっと不安だったから「一緒にご飯食べたら後々女の子から問いただされたりしないの？」って聞いたんだけど、あの人舞賀家が異常な程人気だってしっかり分かってるから「空いてるアトリエで食えばバレないでしょ」と一言。

「やっぱりイケメンはそんなことまで気にしなきゃいけないんだな～…」

LINEにてアトリエの場所はさっき教えてもらったのでちょっと急ぎ足で向かう。
多分本人はもう着いてる。

ガチャ…

「あ、五郎くんお待たせ」
「俺も今来たとこだよ。こっちおいで？」

ちょいちょいと手招きする五郎くん。
今来たとこだよって言いながらも既に端っこに二人分の小さい箱椅子を用意していた。

ちなみに今日のお昼ご飯は四郎くんリクエストの『ごろちゃん特製ハンバーグ弁当』
本当は学食と行きたいところだけど、美大生は画材でほぼお金が飛ぶからこうやって時々お弁当とかにしなきゃやっていけないのが現実。

いただきまーすと2人で声を揃えてぱくり。

「んまぁ…超美味しいぞ五郎くん」
「そりゃよかった」
「やっぱり五郎くん嫁に向いてる」

彼の将来は嫁だな。確定。

「何言ってんの…俺は男なんだけど」
「じゃあ立派な主夫になれるって言い換えるね」
「うーん…まあそれでいいや」

私の押しに負けた五郎くんが呆れながらも笑って降参した。

「でも五郎くん無理させちゃってごめんね」
「ん？何が？」
「だってこうやって私とご飯一緒に食べるのって五郎くんのファンの子に見つかったら五郎くん大変じゃない？」
「あー…」

ちょっと罪悪感。多分彼は気を使ってくれてる。
実は前の講義室での一郎くんの失言を聞いた人達が私をちょっと避けていたりした。
多分変に勘違いしてるんだろうけど上書きするのも面倒だからそのまま放っておいてる。実際特に被害はないし私は別にいいのだ。

「でも今さ、Aは少なくともいい立場では無いじゃん」
「うーん、そうなんだけど…気にしてないよ？私は舞賀家のみんなといる方が楽しい。」
「ん～、なら…いいんだけど」

やっぱり彼は気付いてた。やっぱりとっても優しい人。

「なんなら五郎くんが責められる方が私嫌だから…ご飯食べるのとかさ、私とじゃない方がいいかもね…」

ちょっと寂しいけど1番平和だろうと思っている考えを彼に提案する。
それを聞いた彼はムッとした顔をした。