舞賀家との暮らし方【ars】 (ページ17)

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12日目ページ17

ついでに言うと四郎くんもさっき危機感を持て～なんて注意しておいて昨日私の背中に「A～」って抱きついてきたじゃないか。

「…(じーーー)」
「…なんですかその目は。」
「ん～いや？」

四郎くんに見つめていたことを指摘されてぷいっと目をそらす。
自分だって同じようなことしてるぞって心の中でツッコミを入れながらトントンとじゃがいもを切っていく。

そして夕ご飯が出来上がるまでにはぞろぞろと舞賀家オールスターズが帰ってきた。

「あ、今日夕飯作ってくれたんだ。サンキュ。」

そう言って台所に来たのは五郎くん。
ぽんぽんと私の頭を撫でる。

「うん。今日はバイト無いし課題も終わってるしで早く帰れたから！
私この家住まわせてもらってるのに最近ご飯作れてなかったでしょ？」

さっき出来上がったばかりのカレーをご飯に盛り付けていく。

「そんなに気使わなくてもいいのに」
「気使うっていうか…舞賀家に感謝をちょっとずつ返していこう！みたいな？」
「ふはは！何それ」

砕けた笑顔で笑う彼は凄く可愛いと思う。
だけど、五郎くんは私と同い年なのにずっと大人に思えるから不思議だ。
盛り付けたカレーをテーブルに運んでくれた五郎くんの背中を見つめながらそんなことを考えていた。

その後、6人みんなで食卓を囲んだ。
私は今日カレーと軽くサラダを作っただけなんだけど凄く褒めてくれたりみんなのお代わりも止まらなくて、鍋の中は見事にすっからかん。

「洗い物は俺らがやるから！」

そう言ってくれた三郎くんと五郎くん。
手伝おうと思ったけど今日は十分働いたんだから休みなさいとソファに座らされた。
そして一郎くんと四郎くんはSwitchでスマブラの対戦中。
なんもすることないし、とりあえずテレビをぼーっと見ていたら…

「ご飯、美味しかったよ。ありがとね」

隣でコーヒーを飲んでいた次郎くんが柔らかい笑顔でそう言ってくれた。

「ふふ、お粗末さまでした」

「Aちゃんほんと料理上手だよね」
「えー？あれぐらい誰でも出来るよ」
「いやいや…俺だったら絶対作れないもん」

ほほーう…以外かも！
次郎くんなんでも出来そうなのになぁ

「練習すれば何とかなるもんだよ」
「俺は…俺は何とかならなかった…！」

うう…と言いながらずるずるとテーブルの上に項垂れる次郎くん。
新発見。彼は料理がとっても苦手らしい。