犬系警部補。【降谷零】 (ページ8)

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降谷零side

「じゃあ風見。あとはよろしくな。」

「え！降谷さん…」

「なんだ？」

「…な、なんでもありません。お疲れ様です。」

「おう、おつかれ。」

俺は久しぶりに家に帰ろうとしていた。
風見に戸締り等を頼んで、警察署を出た。

夜遅いのに、人多いな。
自分のスマホを見ると、午前2時。
もう、日にちが変わってしまっている。

しかし、外は暗い。
電柱の明かりを見つめていると

「うわぁあ！どうしよう……！」

あのうるさい、犬の声が自分の耳に伝わってきた。

あいつ、また困ってるのか。
よく公安警察なれたな。

俺はしょうがなく、頭を抱えている“犬”Aに近づいた。

「……どうしたんだ？こんなところで。」

「ふ、降谷さん！？」

びっくりした様子で、俺を勢いよく見る。
いちいち、動きがうるさい。

「え、どうしてここに！？お仕事は！
まさか……クビに……！」

「違うに決まってるだろ。俺も帰るところなんだ。」

なんで俺がクビになるんだ。
こいつにツッコミをいれるのも慣れてきた。

風見はもっと苦労したんだろうな。

「そうなんですね！お疲れ様です！」

「おう。おつかれ。」

礼儀はなっている犬だ。

「で、何を迷ってるんだ？」

そう聞くと、恥ずかしそうに彼女は答えた。

「……えっと……夜ご飯……何にしようか迷ってて。」

まだ食べてなかったのか。
俺もだが。

「そんなのここにいっぱい店があるだろ。」

俺がそう言うと“ダイエット中だ”とAは言う。

こいつは細い方だと言うのに、まだダイエットをするのか。

というか

Aの腕を掴んで言った。

「こんな細い腕で公安が務まるか？」

どこかで言った覚えがある言葉をAに言った。

「！……す、すみません。」

少し傷ついたような顔をする。

“筋肉をつけた方がいい”と俺が言うと、
何故かAは少し嬉しそうな表情をした。

「……じゃあ、俺の家で食うか？」

「…え！？いいんですか！？もちろんです！」

「食べたいか？」

「食べたいです！」

たまには風見だけじゃなくてこいつを誘うのもいいな。