犬系警部補。【降谷零】 (ページ38)

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風見裕也side

「はぁ……ほんとに心配したんだからな。」

俺と降谷さんが仕方なくAの仕事を手伝ったあの日。

あの日以来から、Aが行方不明になった。
もちろん、俺たち公安も捜索したが証拠ひとつも見つからなかった。

降谷さんも一緒になってAのことを探してくれた。1番心配していたのは降谷さんだった。

顔だっていつもより曇っていたし、自分の仕事を放り出してまで部下を探してくれる上司はこの人の他にいないだろう。

俺は再度この人について行くと決心した。

そして、Aが行方不明になって3日。
未だに証拠も見つからないまま。

いつまでもAのことが気になって仕事では失敗ばかり。
その自分が嫌になって、気分転換に夜遅くに散歩へ出かけた。

いつものコースを走っていると、草むらに

Aが倒れていた。

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Aを保護して、目覚めないまま4日。

我々、公安警察はAに何があったのか。
どうしてAなのかと調査した。

すると

“黒の組織”がつるんでいたらしい。
推測すると、Aがジンやウォッカに攫われたあと、麻酔のようなものを打たれたのか一向に目が覚めていない。

起きたら、Aに色々と聞かせてもらおう。

「……起きてくれっ……Aっ……」

思わず声が漏れてしまった。

何故かその時、Aが目を覚ましたような気がして
サッとAを見たら

「っ！起きたか！？ちょっと待ってろ！降谷さん呼んで来るから！」

突然の事でびっくりしたが、5日ぶりにAが目を覚ましたのだ。

急いで降谷さんに報告する。

「ふ、降谷さん！」

「？どうしたんだ？風見。」

「Aが！Aが目を覚ましました！」

俺がそう言うと降谷さんは一瞬びっくりしたような顔をして俺に返答せず黙ってAの病室へ向かった。