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家に帰ったら1人…
1人になれば寂しくなる
そしてまた龍のことを思い出して辛くなるだろう
そう思うと家に帰りたくなかった
つい、後をついてきちゃったけどなんか申し訳ない…
貴方「ごめんなさい…私の都合で…」
そう言うとマッシュ君はこちらを向いて私の顔をじっと見てから前を向き、口を開いた
沖田「謝るくらいならお礼言ってくだせェ」
まあ、確かに…
貴方「…ありがとう」
沖田「んで、俺についてきたってことは家に帰りたくないってことで合ってますかィ?」
私が次の言葉を言う前にマッシュ君が質問をしてきた
図星だったからギクッとした
なんで分かるんだろう…
貴方「そういうこと…です」
この人はなんでもお見通しなのかと思うと顔を合わせることが出来なかった
男に振られただけでこんなに落ち込むみっともない姿がバレてるなんて恥ずかしくて死にそうだったから
貴方「あ、でも別に振られたからってそこまで落ち込んでないからね?ちょっと慣れてなくて悲しくなっただけだから!!」
どうにか言い訳をしようと必死に言葉を探した
沖田「俺は振られたなんて知りやせんよ」
貴方「え?」
沖田「だってあんた、泣いてた理由言わなかっただろ?」
ほんとだ…
しかも無理に言わなくていいって言ってくれてた…
うわ、墓穴掘ったよ私…
自分の失態に留まっていると、マッシュ君の歩く足が止まった
沖田「俺は男に振られて泣いてる女がみっともないなんて思いやせんよ。女を泣かせる男の方がよっぽどみっともないだろィ」
なんで心の声聞こえてた!?
やっぱエスパーなの??←
でも、そう言い放ったマッシュ君は少し輝いて見えた
貴方「ありがとう。あなたのおかげでちょっと元気出たかも」
マッシュ君の言葉に救われた気がした
沖田「…総悟」
貴方「え?」
沖田「あなたじゃなくて俺は総悟って言いやす」
初対面なのに名前で呼んでいいんだ…
貴方「総悟ね!私はA、よろしく」
沖田「おう」
名前を教え合っただけなのに少しだけ仲良くなれた気がした
総悟がこちらを振り向いて口を開く
沖田「A、もうちょっと一緒に歩きますかィ?」
貴方「…うん!」
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作者名:もっぴぃ | 作成日時:2021年9月20日 20時