メイド「よし、姫を強制制起床させるか」 ページ9
「ふっ、あっ…!!??」
がばっと起き上がる。瞼が閉じそうだ。
クソッタレ、目覚めは最悪だ。ぎり、と歯ぎしりをする。
私は朝食後、姫の部屋に掃除にいった。悪戯?少ししかしてない。
その後、姫と日向へ出て…ああそうだ、植物園で昼寝を促されたんだった。姫といるとどうも眠気に勝てない。
当の姫は隣ですやすや寝ている。
そこで私はひらめいた。そうだ、姫に大掛かりなちょっかいをかけてやろう。
姫にもグランシャリオ家に手伝いに来てもらおうか。
寛大なお嬢さんのことだ、“3人“で来てもらえるだろう!
「ん〜……………す……ふぇっ!?」
「起きて下さーい」
私は姫のもちもちの頰をつまみ、夢から引っ張り起こす。
「んふぅ、ふへぇ…おはよ…ごじゃい…ま……すぅ……」
「とぉっ」
「みぁっ!?クロエしゃん!?」
頭にチョップをかますとレアリアは飛び起きた。
「姫、お聞きください。私実は預言者の家系なんです」
「え、ぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!メイドさん凄いです!!!!!」
姫はちょっとお馬鹿だ。
「そこで、あのステラいるでしょ?あの、冷えてる女。あいつのお姉ちゃんが病に伏せてるんです」
「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ステラさんのお姉さんがっ!!!???」
「はい。それで、治療の許可が出たので、支度をなさって下さい」
「はえ?私も?」
「はい。姫様も」
「…一働きした後の寝るのって、気持ちいいんですよね……」
「ぶっ……吹き出してしまい申し訳ないです」
「いいわ!行かせて行かせて!!」
ちょろい。後は冷え性女だな。まぁ身内の不幸とあらば飛んで来るだろ。
今、五時の鐘が鳴る。
………………………………
ぴしり。
何処かで心が壊れる音がする。肺が苦しくて咳をする。
「誰か、気づいて…気づいてよ…!」
聞こえる、いつも
「あんな奴、くたばればいいのよ」
「私はお姉ちゃんが大好き。離れてても、絶対、ずっと、一緒。」
「姉さんと私は姉妹なんだから、お互いが大好きなのは当たり前なんですからね!」
「……また、魔法……教えて…くれる……?」
離れてるはずな妹達の声が聞こえる。
でも、どちらがどちらの声か分からない
私は誰を信じればいいの
分からないわけじゃない。
聞こえる度に声が変わるの
最初、【ーー】の声が“ーー“の言葉を紡いでたの
でも次は、シャッフルされるの。
他の妹の声で別の妹の言葉が脳内に出てくるの
「ねぇ、お姉ちゃん––––––––」
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作者名:蜂蜜流星群 | 作成日時:2020年8月1日 10時