悪魔なメイドとふわふわお嬢のおやすみ前の安眠おやつ～寝れないの？～ (ページ3)

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姫の茶会と君の手当てページ3

そこから10分程話し込んだ。
話してみたが姫は別に馬鹿では無い。
それなりに常識も弁えているし、教養だってある。そこで聞いてみて分かった事は
・両親やステラが此処に出入りする時は祭典時だけ
・ここによく来てくれる(人5)ドは1人だけ
・食事は別
・家庭教師はもう何十回と来た

ここまで聞いて、(悪魔な(人5)ド)は理解した。
そこに辿り着く虚しい気持ちだけ残る。
使用人を含め、ほぼ全員に

姫は嫌われているのではないか。

そんなことをは考えていた。
「さん？」
「うわぁっ！？」
「考え事してるなら、お茶にしませんか？考えがすっきりするわ！」
自分より背が少し低いが、耳元で囁かれる。
手にはプレート。その上に、花があしらわれたティーポットとカップ2人分、そしてクリームとスコーンが少々、乗っていた。
「え、と…それは」
「ティーセットです！このスコーンとお茶がよく合うの！」
そういうとレアリアは純白のテーブルにそのプレートをコトリと置いた。
「…そんな気使い、姫がするものじゃ…」
「気使い？専属メイドの安息が？」
レアリアはそう言うと慣れた手つきで紅茶を注ぐ。
「どうぞ、さん。体が温まりますよ」
レアリアはそこまで言うと自分とクロエの椅子を引き、座りやすいようにした。
「…じゃあ」
おずおずとクロエは座る。ふかふかのクッションが心地良い。
「お砂糖はどれくらい入れますか？ミルクも！」
向日葵のような笑みでクロエに茶を勧める。
こいつは一体…？と思いながら(悪魔な(人5)ド)は軽く手を振り、断りを入れる
「いや、どちらも結構」
「大人ぁ！」
そう言いながらレアリアは真っ白な角砂糖をボトボト落としていく。それをスプーンでかき混ぜると、それらは溶けていった。
「…何を見てるの？お星様はまだ見えませんよ？」
「お星様なんて私は見ない。それより少しいいですか？」
クロエは手袋をはめたまま、レアリアの手袋がはめられた手を取る。
「何かしら？」
「これ」
するりと(悪魔な(人5)ド)が手袋越しに指先で、手の甲あたりをなぞる
「い"っ…！」
「……やっぱり。ちょっと紅いから」
クロエがレアリアの手袋を外してやると痛々しい傷があった。
「何処でやっちゃったんです？」
「昨日…植物園に行った時？」
はぁ、と溜息をつきつつ(悪魔な(人5)ド)は手当てを始める。
「今回だけですからね」
「えへへ、ありがとうクロ！」

「…ん？」

私はクロと呼ばれることになった。