悪魔は物語を読まない ページ15
無駄無駄の駄目駄目よ。
こんなの。やってらんないわね。
むくりと起き上がり、辺りを見渡す。
図書館…それも、巨大な。
本がパタパタ飛んでる。インクの匂いが充満する。
「……から…さ………や…て……」
「な…の………い…こ…」
話し声がする。一人はまた頭の固い女…ルアラリエだ。そしてもう一人は…メルフィスだ。
まだ気絶していると思ってるのだろう。
足音を消して近づく。そして斬りかかる。
ルアラリエは本で防いだ、メルフィスは右腕に傷を負った。
「姉上様…もう駄目です、持ちません！」
「大丈夫よ、ルア。ね？それとも、私が間違ってるの？ルアなら分かるでしょ？」
「ですがっ、現にこうして…い"っ！…」
「悪い子ね、どうしてそうなってしまったの？私はこんなにもルアのことを愛しているのに。
姉なのよ？貴方は妹。姉妹って、そういうものでしょ？」
「…………」
「うん♪いい子ね。それじゃ、頑張ってね」
この会話の前に三百回くらい斬りかかった。
どれも魔法陣か本、剣によって防がれたが。
メルフィスが魔法陣の中へ消えて行くと、ルアラリエの肩がストンと落ちた。
「……私ルアラリエは貴様を処分する。
全ては我が一族の、栄光のために」
光の無い目でルアラリエが言う。本を飛ばし、攻撃の姿勢をとりながら。
私はそれを横目で見つつ、考える。
なんだぁ、さっきの。姉妹だろ？
しかし、ルアラリエとメルフィスの違いに気づいて笑みが戻る。
「…あぁはあ、なぁるほどねぇ……」
「…何だ」
「アシュリーがいなくてメルフィスの独裁政権ってとこでしょー…ねぇ……あらまぁ物騒なもの取り出さないでよ！」
「うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい！！！」
ルアの動きが乱れる。
やれる。
私は笑っている。
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作者名：蜂蜜流星群 | 作成日時：2020年8月1日 10時
