悪魔なメイドとふわふわお嬢のおやすみ前の安眠おやつ～寝れないの？～ (ページ14)

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星はゴーストタウンを駆けるページ14

「……！！姫がっ！！……私の、努力不足故に……あぁぁ……」

うなだれてはいられない。
数年前の家とはまるで違う。何なんだこの絡繰屋敷は。
私の知っている館じゃない。
とにかく、姉さん達を探さないと……

ゴゴゴゴゴ…と地鳴りがする。双剣を構え、邸が動き終わるのを耐え忍ぶ。

不意に、床が目の前に来た。
違う。部屋が反転した。床にあったものが天井だったところに降り注ぐ。
まずい！と剣を構えた時に気がついた。

私は落下中だということに。

「わぁぁぁっ……くっ！！」

止まろうとしても剣が壁に刺さらない。
そのまま私は重力に身を任せ、風を纏った。

「…肌寒い…もしや」

落下地点が見え、素早く着地。足は少し痛むが姫の安泰が一番の優先。
私は先を急いだ。いや、急ごうとした。

街に出た。夜の街。満月が霧隠れする、霧の街。
ホー、ホーとフクロウがわびしげに鳴く。

街の所々に墓が連なっている。空には半透明な何かがうよついている。

「ハロウィーンじゃあ、無いんだから…菓子はやれませんよ」

目指すは街の中心。ここからでも見える古ぼけた大きな館。
あそこに姉さんがいる。
分かる。

こんな悪趣味なのはと脳裏によぎる。

「ねぇ、シャルロット姉さん、いるんでしょう？」

恋愛とホラーの大好きな、変わった姉さんが。