悪魔なメイドとふわふわお嬢のおやすみ前の安眠おやつ～寝れないの？～ (ページ1)

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ワケありメイド、ご来城ページ1

「わぁ…！今日、新しい(人5)ドさんが来るのね！」
ここは一国の城内。ふわふわお嬢は目を輝かせた。
絹のような肌。クリーム色のふんわりとした髪。海のような碧眼。ふわふわお嬢こと(ふわふわお嬢)はその場でくるりと一回転をした。
舞い上がったスカートを、その事を伝えに来た(人5)ドが直した。
「何か贈り物をした方が良いわよね？早速選んで来るっ！」
くるりと一回転をしたかと思うと、最上階の宝庫へと(ふわふわお嬢)は駆けて行った。
「お、お待ち下さい(ふわふわお嬢)様っ！話をお聞きください！今度の(人5)ドは–––！！」

ワケありなんです！

その言葉は(ふわふわお嬢)に届く事は無く、虚しく何処かへ消えて行った。
「あの姫様は本当に……だからこんな奴呼ばなけりゃならなくなっちゃった……」

場所は正門––
「…ココかしら、私を呼んだのは」
ニタニタとその(人5)ドは笑っていた。まるで、これからする悪戯が成功するのが目に見えた様に。
「どうもぉ主人殿？私です。門をお開けになって？」
門番のいない門を、黒い手袋をはめた手で叩く。
門番がいないのでは無い。門番は、その(人5)ドにしてやられたのだ。
陽に照らされて彼女は笑う。黒い彼女は、陽の下ではよく目立つ。そして、城内で騒がれる。

「悪魔が来た–––！」

「あぁ来てやったさ。お前らが呼んだんだろ」
彼女は聞こえているかの様に呟いた。
この(人5)ドの名は(悪魔な(人5)ド)。人間にしてその性格の悪さから「悪魔」と言われる有能かつ冷徹な(人5)ド。
今回、そんな彼女に手紙が届いた。
手紙の内容は––

「ウチの出来損ないの–無能の–小生意気な–姫を更生してほしい」

ほぉん、と彼女は頬杖をつきながら笑ったのだろう。その証拠に、今日この時門までやって来た。
さぁ、悪魔と無能。折れるのはどちらかな

「(人5)ドさんの名前はなんでしたっけ？」
「実の親にあんなにボロクソ言われる姫サマはどいつなの？」