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『おはようございま、、ってあれ?』
翌朝、登庁すると部署内には誰も見当たらなかった。
おかしいな…風見さん、今日は泊まり込みでいるって言ってたのに。
まだ仮眠取ってるのかな。
先に仕事を進めておこうとデスクに座りPCを開くと、ガチャ、とドアの開く音がした。
ドアの方へ目線をやれば
「…ふぁぁ〜、、」
大きなあくびをして若干メガネがズレている風見さんがやってきた。
『風見さん!おはようございます!』
デスクから声かけた私に気づいた風見さんは、一瞬ピタリと動きが止まった後
「…なんだ雪村か。早いな。」
と言いメガネをかけ直した。
かなり眠そうだから疲れてるんだろうなと思いながら
『風見さんが渡したい資料あると言うので早め来たんですよ。』
そう話せばあっと思い出したようで、私のデスクの上にドサッと置かれた大量の資料。
『こ、こんなに、、』
「公安が追っている例の組織の資料だ。」
配属になった時にちらっと耳にはしていた。
世界中をも脅威にさらす犯罪組織を追っていると。
にしてもすごい量…
資料の多さでどれだけの組織なのかがわかる。
「それから…これは降谷さんの資料。」
『え?』
別で渡された数十枚の用紙。
「あの人の右腕として働くために必要最低限な情報だ。
一通り目を通しておいてくれ。」
『分かりました…。』
ここに金髪上司のことが詳しく書いてあるってわけね。
…ふと、昨日の降谷さんの表情が一瞬頭に浮かんだ。
あの哀しげな顔…私の知る金髪男ではなかった。
まぁでも人間ならそんなこともあるかとそう深くは考えず。
「昨日は降谷さんと食事に行ったそうだな。」
『あっ、はい!ご馳走していただきました。』
金髪が連絡していたのだろうか。風見さんに把握されていた。
「どうだ、緊張したか?」
『それなりに、、笑
降谷さんが29歳だったことに驚きましたし、それに…降谷さんはどこかこわい人です。』
「…あぁ、君の言う通りだよ。よくこんな早くに気が付いたな。」
なんて笑われる。
私たちが話している降谷さんは、怒ったら怖そうだとかそういうのじゃない。
言葉には言い表せない怖さ。
今までの金髪とは何か違う気がした。
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作者名:おと | 作成日時:2022年5月1日 2時