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『わぁ……!』
マグロに、サーモンに、トロ
目の前に並べられたいかにも高級なお寿司。
そして隣には
「うん、やっぱりここの寿司は美味いな。」
金髪。
「ん?」
チラッと送った視線にすぐさま気付いた金髪上司は、頭にハテナを浮かべて寿司を頬張る。
やば、と瞬間的に視線を逸らした私。
『あ、いえ!こんな高そうなお寿司初めてで…』
頼まれていた資料を渡した後に連れて来られた高級な雰囲気が漂う寿司屋。
ちなみにお寿司は私の大好物。最後の晩餐はお寿司って決めてる。絶対に。
まさか初めての高級寿司が金髪とだとは思わなかったけど。
「…なるほど。まぁ、遠慮なく食べてくれ。」
今日は僕の奢りだ、と金髪上司。
………ん?奢りって……
『え?!いいんですか?!』
「あぁ。」
奢り?!このお寿司全部奢り、、?!
き、金髪の割には…案外太っ腹じゃん…。
とは思ったりもしたが…
「一応、これから先かなり働いてもらうことになるからな。」
…っぐ。
さらっとした顔で言ったなこの金髪。
最後のそれいる?余計だよね、絶対余計だったよね。
いや、もちろん風見さんからハードだとは聞いていた。
だがこうして言われると一気に先行きが不安になる。
『…イ、イタダキマス。』
「どうぞ…」
「召し上がれ。」
『…?!』
な、ななな?!
カウンターに肘をつき、上司に満面の笑みで見つめられる。
なんて恐ろしい光景。
上げて落とされるとはこういうことを言うんだ。
言っておくけど、めっっっっちゃ食べずらいわ!!
お寿司なのに!!大好物なのに!!
『ちょ、なんですか、、!』
「フッ、からかっただけだよ。」
…こんのパツキン、、!!
パツキンなだけあって部下をいじめるのが趣味なのか?!
〈脱金髪嫌い〉はまだ先になりそうだ…。
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作者名:おと | 作成日時:2022年5月1日 2時