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私、雪村Aは望まない妊娠の元この世に誕生した。
18で私を産んだ母は、相手の男に逃げられシングルマザーとして私を育てた。
小さな古いアパートで二人暮し。もちろんお金は無かった。
一日中仕事へ出ていた母とはまるで会話はなく、するとするならば仕事のストレスからか、私への暴言を一方的に吐くだけ。
そんな母がある日突然、一人の男を連れてきた。
「お母さんの恋人のゆうたさん。仲良くしてね。」
こんな優しい声で話せるならいつもそうしてほしい…と幼いながらに思ったのを覚えている。
「よろしく、Aちゃん。」
握手を求められて手を握った。幼い私には少し痛かった。
煙草臭くて、目付きが悪くて、金髪。
この人物が、私の人生を狂わせた金髪男1号だ。
最初こそは仲良くする素振りを見せた。
だが、次第に彼は本性を表した。暴力を振るう人だった。
毎日、理由もなく殴られ、蹴られ…
痣だらけの私はそばにいる母に助けを求めたが、冷たい眼差しを向けられるだけだった。
どうしてこの人は私を殴るの?
どうしてお母さんは助けてくれないの?
泣けばうるさいとまた殴られる。
いつからか私は泣けなくなった。
そして7歳になって間もなく、遂に母と恋人は私を置き去りにして家を出ていった。
その時私は泣かなかった。
その後施設に預けられた私は、温かい先生たちに恵まれながら高校卒業までをそこで過ごした。
私を捨てた母とその恋人が、現在どうしているかは知る由もないし、興味もない。
あの金髪男の面なんか、一生見たくない。
長くなったが、実は人生を狂わせた金髪男というのはこいつだけではない。
残念なことに、もう一人いる。
私が金髪男性が苦手だと確信してしまった原因の男だ。
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作者名:おと | 作成日時:2022年5月1日 2時