【国見英】morendo

３０小節目 ページ30

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「ふう、これならバレないはず…」





被ってきたキャスケットを深めに下げ

コートがよく見える位置に座る。



国見くんには結局

見に来る事は伝えられていない


タイミングを逃しすぎたのだ。





「へー、花巻と松川も出てるんだ。」



これまで何度も及川に誘われ続け

その度に断ってきた。


バレーに興味がなかったわけじゃない



ただ、興味を持ったところで

いい事などないと思っていたからだ。


そして、それは恋愛も同じ。





「…国見パワー恐るべし。」



もちろん私が見に来ているなんて

何も知らない国見くんに目を向け


制服以外の新鮮な姿に

思わずドキッとしてしまう。





青葉城西の応援歌を近くで聞きながら

脳内で勝手に楽譜を作り上げてしまう。



あ〜っ！だめだめ

今日は音楽の事は忘れるのよ私！









試合開始の合図の音が響いた。





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