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次の日、幼稚園に着き、朝のごあいさつが始まるまで教室で遊んでいた。
ふと見ると周りの子達は廊下に集まり、ざわざわしていた。
「どうしたの?」
「見て見て見て!あの車!かっこいい〜!」
鼻水垂らした男の子が足をじたばたさせながら興奮気味に言った。
昨日の子だ…
その日からしょーたくんは、先生達からも子供たちからも1目置かれる存在になった。
しかし、口数は少なく、はしゃぐタイプでもないしょーたくんと仲良くなるのにそう時間はかからなかった。
一緒に登園していたし、お昼寝もいつも隣だった。
他の子とはない波長が合うことだったり、コンビネーションのよさというか、そういうものをどこかで感じていた。
きっとあっちも思っていたのだろう。
もちろん、数え切れないくらいの喧嘩はしたが、明日になればケロッとしていたし、ネチネチと引きずる事もなかった。
そんな関係が続き、小学6年生の春。
しょーたにも春が訪れた。
隣のクラスのかわいい女の子。
少し茶色がかったボブに、クリクリの目。
いつもスカートを履いてきて教室掃除の時は必ずほうきをしていた。
後からしょーたに聞いたが、体育館の裏に呼び出すという漫画の読みすぎだと言える告白の仕方だった。
返事は?喉元までは出てる。あとは声に出すだけなのに、それができない。
理由は明確だ。
私もしょーたが好きなのだ。
たとえしょーたの返事がNoであれ、私から告白する勇気はないのだが、YESと言ってあいつの、いや、あいつと限らずだれかのしょーたになるのが気に食わなかった。
しょーたが告白されてからも私たちは毎日一緒に登下校を続けた。
なんとなく、気まずい雰囲気もあったが、このまま離れてしまうよりはと我慢した。
しかし、子供の恋なんて早く散るものだ。
しょーたの顔を見る度目を輝かせていたあいつも、もう用無しと言わんばかりに同じクラスの足が速いやつと付き合っているという噂が流れた。
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いのきのこ(プロフ) - 、さん ご指摘ありがとうございます、初心者なので…すみません(><) (2020年1月20日 6時) (レス) id: a27e8ef6d1 (このIDを非表示/違反報告)
いのきのこ(プロフ) - Miraiさん、ありがとうございます!! (2020年1月20日 5時) (レス) id: a27e8ef6d1 (このIDを非表示/違反報告)
、 - オリジナルフラグくらいちゃんと外して下さい (2020年1月20日 5時) (レス) id: aead4a2b5b (このIDを非表示/違反報告)
Mirai(プロフ) - 面白いです!続き書いてください! (2020年1月19日 22時) (レス) id: c766826a6c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いのきのこ | 作成日時:2020年1月19日 0時