転生に転生を重ねて文ストの世界に着いたら太宰さんが嫌っている犬になってた ２！

32ー中原中也の帽子紛失事件ー ページ5

素子「今日はどうしたの?」

　第13あかねアパート
　小さめのアパートだが清潔できちんと整理してある
　カタンと出してくれたのはクッキーもとちゃん(素子ちゃんより呼びやすいから)
　の作ってくれるクッキーは甘さ控えめで優しい味

素子「で…何だっけ?」

　膝の上にペル…
　とは云ってもペルシャじゃない猫…をのっけて話を聞いてくれる
　もちろん紙の裏に五十音を書いて
　
『もとちゃんってどうして補佐やってるの？』

素子「どうしてもこうしてもお金がなくてね、見ての通り貧乏でしょ？」

　というか物が極端に少なすぎる
　この紙、原稿用紙の裏なのだがそれを取り出した時のタンス、机、ペン
　そして丸まったり破れたりした原稿用紙以外何もない
　いつも指が黒く染まってたりペンだこがあったりするので小説を書いているのだろうか
　それなら貧乏なのは納得いった

　そのあとは他愛のない話をした

　最後に聞いてくれと云われた質問をする

『双黒のお二人のことは好きですか?』

　もとちゃんはん〜とうなってから

素子「好きか嫌いかで聞かれる嫌いではないかな…
　太宰さんの方は怖くて苦手だけど中原さんはまあ…」

　ふむふむときちんと覚えて私は次の場所へ
　



花梨「わぁいらっしゃい！」

　突然来たにもかかわらず笑ってお家に入れてくれる花梨ちゃん
　あいうえおボードもわざわざ用意してくれたのだ

『今日はおしゃべりしにきたの』

　花梨ちゃんはとってものんびりしている
　見た目通り紅茶が大好きでよくストレートティーをのんでいる
　今日は白桃の紅茶らしい。フルーティーなこの紅茶は
　牛乳より檸檬が相性がいい

　やけに紅茶に詳しいって?
　趣味の一つや二つぐらい合ってもいいだろう

　花梨ちゃんのお話は紅茶のお話が多い
　この前私が話してみたクッキーって名前の紅茶がおいしかったとか
　新しく買ったオレンジペコがうまく茶葉が開かないだとか

　紅茶への愛がガンガン伝わってきます

　…と、気がついたらもう5時

　２人のおうちで
　2時時間ほど話し込んでしまったから当たり前なのだけれど吃驚する
　うまく話がまとまったところで最後

『双黒のお二人のことは好きですか?』

　途端にさっと赤くなる花梨ちゃんそれを隠すためか手で顔を覆って

花梨「だ…太宰さんはちょっと苦手だけれど…
　中原さんは…す…好きです…!!
　あう…これは秘密だよ…!?お願い…!!」

　顔を隠したまま早口でまくし立てられて
　そのまま帰った

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