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____18年前
名の知れたヤクザの組長の娘として生まれた私は
当然保育園や幼稚園に通うこともなかった。
だがその当時、屋敷には私以外にもう1人子供がいて
その人こそ私が待ち続けている張本人
田中樹である。
彼は私が生まれる前からこの屋敷に住んでいた。
幹部の息子というわけでもないし
私と血縁関係があるわけでもない。
彼は私の両親に拾われた孤児だった。
幼い頃の全ての記憶に彼がいた。
遊ぶのも、ご飯を食べるのも、寝るときまでも
全て彼と共に過ごした。
「お嬢！！！！じゅり！！！！」
イタズラして屋敷中を逃げ回る私たちを呼び止める声
ドタドタ、と軋む床の音
そんな騒音が日常茶飯事で、当たり前の幸せだった。
.
続く
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作者名：くも | 作成日時：2023年8月9日 8時
