肆 ページ7
「........鬼?」
Aは当然首を傾げる。鬼とは、あの角の生えた青や赤の肌をし、金棒をもったあの鬼であろうか。彼女は昔話で知るような鬼しか知らない。
「しかし、人々が知るような鬼とは少し異なります。」
鬼とは、言うに人を喰らう化け物であると。
元は人間であったものが一人の“鬼”の血を摂取することで同じ鬼となりある条件を抜くと不老不死であるのだとか。彼らは強靭な体を手に入れおよそ人とは思えぬ動きをする。その上個々によって違う異能“血鬼術”を持ち手をつけられないのだとか。
彼らの唯一の弱点は“日の光”と“藤の花”。彼らは太陽のもとを歩くことは叶わず焼かれ死ぬ。古来より人間は日の光を多く含んだ鉱石を溶かし刀とし戦うか藤の花を使い対抗しているそうだ。
その鬼狩りのことを人は鬼殺隊と呼ぶ。
「....詠さんは、鬼殺隊、だったんですか?」
「...そうだね、一応“柱”と呼ばれる当時最強の剣士の1人ではありました。」
詠は少し怖かった。自分を慕ってくれている子にずっと知りたがっていた真実を教えずにいたのだ、嫌われたらどうしようと不安で握る拳に爪が食い込む。Aは下を向いたまま言葉を発さない。
「詠さん、」
「....はい。」
「....教えていただいてありがとう、ございました。」
彼女は軽く頭を下げる。その姿勢には感謝の念しか感じない。いつも通りの、何ら変わりないAの姿であった。
「怒らないんですね、ずっと隠していたのに」
「私を想っての行動にどうして怒りが湧くのでしょうか。感謝することはあれども憎むことなどありはしません。」
その言葉は本心であった。嘘偽りのない澄んだ瞳が詠を見据える。
「....本当に、君は優しい人だ。」
「そんなこと、ありません。」
瞬間、詠緊張を解く。肩にあった重荷が下りたようでいつもの顔に戻っていた。
どうやら考えすぎていたようだ、Aはこんなことで態度を変えるような人ではないことを知っていただろうに詠の中でもAの存在は知らずのうちに大きなものとなっていた。
「詠さん、私もお願いしたいことがあります」
「?どうしたんだい?」
「__鬼と、戦う方法を教えてください」
揺らぐことの無い瞳で見つめる。
夜空の如く輝くその瞳は万人を魅力し捉えて離さない。
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Lotus(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです^^* ご期待に応えられるように精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年11月17日 20時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品ですね!!応援しています!!更新頑張ってください!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - すンずさん» わあー!ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです(*´`*) これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - とても面白いです!!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年11月8日 20時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます....!!!!急に消えたのに探していただいて有難いです!!!期待に応えられるよう精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年10月27日 22時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lotus | 作成日時:2019年10月23日 20時