夜の使者【鬼滅の刃】

肆拾参 ページ47

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泣きそうな顔をした天魔は一人の友を想う“人”であった。



彼に何があったのだろうか、何が好きで嫌いか、鬼でないのならそんなことを聞いてお互いに良い友になれたかもしれない。彼も本当は友のために強く有ろうとしているだけの心優しい少年だったのだろうから。






｢さあ、再開しましょう。お互いの大切なものの為に、命尽きるまで｣




｢ははっ、いいよやっぱりAは最高だ。


思わず食べてしまいたいくらいに！｣






鬼灯は既に脚まできている、口元にも侵入し味わったことの無い激痛が襲う。



痛みには慣れていた、骨折、深い切り傷、そんなの鬼殺隊にいたら日常茶飯事だ。だが毒は味わったことがない、こんなにも辛いものなのか全身を絶えなく刺されるような感覚はもはや拷問だ。



動けなくなる前にケリをつけなければならない、こんな痛みよりあの二人を失う方が余程怖い、だから意地でもうごけ。






｢宵の呼吸、｣



｢させないよ！｣






脇に蹴りを入れられ刀で受身をとる。毒が廻ってるせいで思うように体が動かせない、スピードも数段落ちている事だろう。



ダメだ、逃げに徹しなければこちらがやられる、余力は頸を斬るために残しておかなければならない。






｢攻撃しないの？！ならこっちが________?!｣






天魔の攻撃が止まった。毒で意識すら朦朧とする中天魔の目線を追う。その先には満身創痍の義勇と錆兎、そして.......









__________頸と胴の離れた紫昏の姿であった。




+・+・+・+




《大正コソコソ噂話》


Aは毒に侵されている中ほぼ意地で動いています。毒の耐性など持っているはずもないので想像を絶する痛みに耐えています。

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