夜の使者【鬼滅の刃】

弐拾漆 二匹の狐 ページ31

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｢なら、晶稔、俺の為に生きろ｣



｢え？｣






高麗の口からでた言葉を一瞬理解することが出来なかった。






｢俺はどんな時でも晶稔の隣にいるし味方であり続ける。だから晶稔、君も俺の傍に立って困った時には助けて欲しい。


晶稔が前を向いて歩く理由はそれだけでいいだろう？｣






高麗、彼もまた独りであった。



人になんて声をかければ喜ぶのか、怒るのかは直ぐに分かる。だから当たり障りのないことを言ってその人の好きなことを適当に褒めて且つあまり目立たないように。



人の上には立たない、そういう風に目立つと反感を買いかねないから。彼は人の扱いと立ち回りが上手かった、口が達者で人の懐にするりと入りあっという間に懐柔してしまう。しかしだからこそ心を許せる友などいなかった。






｢ぼ、僕なんかでいいの....?｣



｢晶稔がいいんだ｣






勿論上辺だけの友人は数え切れないほどいる。しかしそれだけ。



人とうまく付き合うには知りすぎない近すぎ過ぎないことが大切だ、深く関わってしまったら傷付くだけだから。上手く生きていくにはそうするしかなかった。



いかに人に気に入れられるために媚を売るか、そこにプライドなどいらない。故に孤独、自分はずっとそれと共に生き死ぬと思っていたが彼は晶稔を見つけた。



弱々しくていつも端っこで影を薄くさせているそんな少年、1人では到底生きていけないとさえ思う。あの子には誰かいなければ、俺がいなければと思い始めたのはいつ頃だっただろうか。









｢俺の残りを全部上げるから、君の残りを頂戴________｣









1人の気弱な少年に強く優しい少年が出会い、互いに依存し合う瞬間であった。他の誰もいらない、彼さえいれば＿＿＿＿＿＿＿＿







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《大正コソコソ噂話》


高麗は口調が混ざっています。普段人と接する時の社交性の高い顔と本当の自分が混ざってしまいたまに口調が一致しません。もはやどちらが自分なのかも分からなくなりかけてたとか

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