夜の使者【鬼滅の刃】

弐拾伍 二匹の狐 ページ29

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｢....!!｣






美味しい、たかが塩で味付けされているだけなのに何故こんなにも涙が出るほど美味しいのだろうか。晶稔は塩むすびを頬張り味を噛み締める。






｢ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ｣



｢そんなに急がなくても逃げないよ。


久しぶりに固形物食べたんだろうからそんなに頬張ったら胃が驚くに決まってるだろう｣






竹筒に入った水を渡し背中をさする。



高麗は同じ年端もいかない子供である筈なのに他の神社の子供に比べてやたらと大人びている。神社には大人が何人か来るがその大人達よりも余程賢いとさえ思う。






「で、でもなんで高麗くんがおにぎり持ってるの.....?神社では買えないのに....」



「働いてるんだよ。まあこんな小さな子供じゃまともに働けないからお手伝いの方が近いかもな。


ご褒美に色々貰えるんだ、今日は少し少なめ」






そう言えば高麗はあまり神社内で見かけないなあと気が付いた。会うのは朝早くと夕餉のみ、それすらも直ぐに済ませてどこかへ消える。



それでも子供達の間で反感を買わないのは立ち回りが上手いからだろう。






｢ごっごめん....高麗くんが頑張って貰ったものなのに....｣



｢あのなあ....それどうにかならない？｣






持っていたおにぎりを食べきり水で喉を潤す。手にはまだ塩の味が残っていて思わず指先を舐めてしまった。






｢おどおどし過ぎ。


俺は君に恩を売りたい訳ではないし、嫌なのにおにぎりをあげる程善人でもない。それに俺は“ごめん”よりも“ありがとう”を聞きたい｣





｢あり....が、とう....｣






またもどこから出したか分からない饅頭を晶稔に1つ渡した。本当にどこに隠し持っているのだろうか。



中に入っている餡子が程よく甘くて美味しい。甘味を食べるなんていつぶりだろうか。





+・+・+・+


すみません、定期考査と模試があるので更新遅れました


《大正コソコソ噂話》
どうやら高麗はいつも食べ物を懐に隠し持っているそうですよ。おにぎりに甘味、飲み物、その他諸々....本当にどこに入っているんでしょうか、四次元ポケットでも持っている気さえします

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