弐拾肆 二匹の狐 ページ28
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「何してるんだよここで」
「....隠れてる、の」
少し村から離れた小さな山の小さな神社に子供の声が響く。ここにいる彼らは身寄りのない子供ばかりだ。子供と言っても大人と差し支えない歳の子が2人ほどいる。
ここは貧しい、1日一杯の雑穀、たまに河原で取る魚がぎりぎりのそんな神社。たまに貰うおすそ分けは贅沢品だ。
そんな貧乏神社の御堂の蔵に隠れている黒髪で小柄な少年、名を晶稔(あかね)。彼はやせ細っていて転んだだけで怪我しそうな程貧弱に見える。
そんな彼に話しかけた少し青っぽい髪をした少年、高麗(こうらい)は困ったように尋ねた。
「もうすぐ夕餉の時間だぞ」
「....いい。どうせ取られるから、」
1日一杯の雑穀、そんなもので元気な子供のお腹を満たせるはずもなく気の弱そうな者から「いらないならいいよな」という名目で奪い取る。
結果彼のようにやせ細っている者もいれば元気に走り回っているものもいる。
「....はあ....ほらこれやるよ」
「えっ....?」
冷めてはいるが塩むすびだ。塩むすびを渡した高麗は晶稔の横に座り更に漬物も出した。どこに入っていたんだろう。
晶稔は困惑する、白米なんてこの神社で買えるようなものではない、稼ぎのあることをしていないのだから。
「で、でも............いいの?」
「ダメなものあげる訳ないだろ」
高麗は笹の包みに三つ程入っている塩むすびをひとつ取り食べ出す。普段から食べ慣れてるようだ。
それを見た晶稔が恐る恐る口にする。疑っている訳では無い、久しぶりに食べるちゃんとした食事に驚きどうしていいか分からないだけだ。
+・+・+・
ここから少し回想に入ります。ここに出てくる2人の少年はどんなことを思い、想っているのか、この酷く理不尽な世界にどう抗うのか。少しだけお付き合い頂けたら幸いです
《大正コソコソ噂話》
紫昏は元々あの様なイカれた性格ではありませんでした。話を進めると分かりますが少し気の弱い優しい男の子です。
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Lotus(プロフ) - 黒豆粉さん» ありがとうございます!そう言っていただけると嬉しいです^^* ご期待に応えられるように精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年11月17日 20時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
黒豆粉 - とっても素敵な作品ですね!!応援しています!!更新頑張ってください!! (2019年11月17日 19時) (レス) id: a216a85358 (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - すンずさん» わあー!ありがとうございます!そう言って頂けると嬉しいです(*´`*) これからも頑張っていきますのでよろしくお願いします! (2019年11月9日 17時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
すンず - とても面白いです!!更新頑張って下さい!応援しています! (2019年11月8日 20時) (レス) id: 6823c0d55a (このIDを非表示/違反報告)
Lotus(プロフ) - シオンさん» ありがとうございます....!!!!急に消えたのに探していただいて有難いです!!!期待に応えられるよう精進してまいりますのでよろしくお願いします! (2019年10月27日 22時) (レス) id: 0657cdb7e7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Lotus | 作成日時:2019年10月23日 20時