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…バタンとかだったらまだしも、ガン！っておかしくない？
でも大丈夫。落ち着いて私。
夢だから。
なんて思っていると。
ばさっと。容赦も躊躇いもなく、被っていたシーツを剝がされた。
そこに立っていた人物は。
『･･･あか、つき･･･よね？』
見間違うはずのない絶対王者。
こんな早い時間だというのに彼は寸分違わず綺麗だ。
「･･･なぁ聖夜」
ぎしり。
ベッドを鳴らして暁が覆い被さってくる。
･･･待って。どういう状況？
「どういうことだ？」
私の両手首を軽々と片手で拘束した彼は、それを私の頭上に持っていく。
･･･待って待って!?ほんとに待って！
「俺が納得できる理由じゃねぇなら、今すぐここでお前のこと奪うけど？」
奪うって何!?なんて聞けるはずもなく。
私は急な状況に言葉が出ずに呆然とするだけ。
近い距離、今の体勢、熱っぽい視線。
全部に頭が混乱する。
「何も喋らねぇってことは」
つ、と彼の指が首筋を這う。
それに驚くように、身体が小さくピクッと揺れた。
「奪っていいのか？」
『っ、』
ぐっと近くなる距離。
吐息が肌に触れて眩暈がする。
何これどういう状況？
どうして暁がここにいるの？
ぐるぐると止め処なく思考は廻るけれど。
暁がここにいる理由なんて見当もつかない。
現実逃避するかのように思考を廻しているけれど。
それ以前の問題が今目の前で起こっているワケで。
『･･っ、暁、近い･･･っ』
朝からこんな至近距離で綺麗な顔を見せつけられるなんて拷問に近い。
目の前がチカチカする。
「ちょっと黙ってろ」
『あっ』
する、っと。
ウエストのラインを撫でられて短い悲鳴が漏れる。
そんな私の反応を確認するように見つめてくる暁。
余裕な態度が腹立たしい、なんて思っていると。
「は〜い、そこまで〜」
ゆるっとした声が聞こえた。
暁のせいで身体が動かないので首を動かして確認すれば。
『･･･秋山？』
腕を組みながら扉の枠に寄りかかっている秋山の姿。
そして彼は心底呆れたように口を開いた。
「昴お前ね〜。いくら嬉しいからってヤりすぎでしょうに」
「･･･うるさい」
「ほら姐さん。こっちおいで〜」
ひょいひょいっと、手招きして私を呼ぶ。
暁の手が緩んだのをいいことに、身体を抜いてベッドから脱出。
呼ばれた通りに秋山の前に立てば。
なぜかすっぽりと秋山の腕の中に収まる。
ぎゅっと抱き締められてる意味が分からない。
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作者名：聖夜 | 作成日時：2022年8月27日 0時
