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次の王様を、と思ってみんなが割り箸を握る中。
「なー。王様ゲームってさー」
口を開いたのは吉良。
「もっとこう、男女でドキドキ的なものだったと思うんだよねー」
「言いたいことはわかるんだけどね〜ユウちゃん。この中で女は2人しかいないでしょうよ」
まぁ確かに。
でも男同士で罰ゲームやって苦しんでるのも面白いし、いいんじゃないか。
と、思ったのに。
「じゃあ、瞳ちゃんと聖夜ちゃんに1番と2番のくじを引いてもらえばいいんじゃない?」
「・・・は、い?」
しれっと笑う岬を思わず見つめる。
何を言い出すんだこの男は。
「男女のドキドキ、でしょ?それなら男と女で別にくじを引くしかないよ」
「え、私達王様になれないの?」
「その代わり、罰ゲーム当たったほうがその次王様。これでどう?」
つまり、1回目は私か瞳のどっちかが向こうの誰かと罰ゲーム。もし私が罰ゲームを受けたのであれば、どの次の回は私が王様ってことね。
50%で当たるのは嫌すぎるけどそのあと確実に命令できるのか・・・。
これが得なのかどうなのか測りかねるけれど。
「あー、それでいいじゃんー」
「俺も異存はねぇよ〜」
コレ、決定の流れよね。
ここで私達が異論を唱えてもこの決定が覆ることはない。
当たりませんように、と強く願いながら瞳と2本のくじを引きあう。
不安を抱えながら“男女別王様ゲーム”が開始された。
そして“男女別王様ゲーム”の王様第一号は。
「あ。僕だー」
吉良か・・・。男女のドキドキとか言い出した張本人だからな・・・。
「えーっと、じゃあねー、5番の上に1番が1分間座ってくださーい。もちろん向かい合ってねー」
『っし、回避・・・!』
私は2番。
このまま全部回避して瞳にすべてを押し付けたい。
「ご、5番って誰!?」
問いかける瞳に。
「俺だよ」
答えたのは岬。
「陽平なら、まぁ」
「え、何その安全牌扱い。男としては微妙だな」
「信頼があるってことでしょ?」
まぁ確かに他の男達よりはマシだ。
相手が誰であれ嫌なものは嫌だけど。
そして胡坐をかいてる岬の上に座る瞳。
「あはは、真っ赤」
「っな、んでそんな余裕そうなの・・・っ」
「そうでもないよ?イロイロ大変」
・・・どこが?
うーん、岬相手もからかわれたりするから危険かも。
吉良のほうが安全牌かな・・・?
そう考えていれば。
「はーい、1分だよー」
携帯片手に吉良が時間切れを告げる。
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作者名:聖夜 | 作成日時:2022年8月27日 0時