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「お、俺王様〜」
秋山か･･･。
いいと言えばいいし、嫌だと言えば嫌だ。
「ん〜。じゃあ、１番が４番に本気のデコピン」
よかった。まだマトモだ。
それに私、どっちの番号でもないし。
「あ、１番僕だー。４番って誰ー？」
「俺」
瞬間、吉良の動きが止まる。
「え、す、昴君なのー？」
「あぁ」
平然と、“４”と記された割り箸を見せる昴。
「む、無理っ！僕昴君にデコピンとか無理ーっ！」
ふるふると首を振る吉良。
薄ら涙まで浮かべてる。
「何言ってんだよ〜優斗。ゲームだろ〜？昴はそんなことで怒るような男じゃねぇよ〜」
まぁ、確かにそうだ。
暁はきっとそんなことでは怒らない。
むしろデコピンしやすいように前髪を自ら上げてくれてるじゃないか。
「さっさとしろよ。終わらねぇだろ」
真のキング、暁にそう言われてしまえば。
「うっ･･･。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいーっ！」
意を決して吉良が指を弾く。
猛烈に謝りながらデコピンする人間を初めて見た。
当たり方によっては本当、鬼畜だ。
王様になってもいいけど標的には絶対なりたくない。
なんて欲を出したのが悪かったんだろうか。
王様になったのは再び岬。
緊張が走る中、彼の命令はというと。
「3番、」
「おいっ！また俺だろーが！」
悲痛な面持ちで叫ぶ藤城。
そんな彼を尻目に、岬は淡々と言葉を吐く。
「が4番に飛び膝蹴り」
「っし誰だ4番このヤロー」
打って変わってイキイキとした表情を取り戻す藤城。
今回も被害を免れることができて一安心していれば。
「･･･私、なんだけど」
･･･本当に、可哀そうに。
「っし、食らえ貧乳！」
「ちょ、ちょっと待った！避けるのは!?」
「アリで」
王様から【アリ】のお言葉をいただいた瞳は決死の覚悟で藤城を見つめる。
確実に容赦も何もない勢いで瞳に向かっていく膝を。
「･･･っし、避けた!!」
ぎりぎりのところでかわした瞳。
これはお見事。
そして藤城はといえば。
「･･･っくっそ！俺の膝がぁぁぁぁぁ！」
柱に膝をぶつけて悶絶中。
どれだけ本気で向かっていったんだ。
そして痛がる藤城をみんな放置。
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作者名：聖夜 | 作成日時：2022年8月27日 0時
