ワケあり王女ー7ー (ページ13)

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みんなそれぞれお土産を物色しに店内に散らばる。

私もせっかくだし、透夜にあげるお土産でも探すことにする。

…ジンベイザメのぬいぐるみでもあげるか…？

喜んではくれるだろうけど、別に要らないだろうな。

キーホルダーって年齢でもないしな…。

「なぁ、姐さん～？」

悩みながら店内をうろうろしていると、後ろから秋山に声を掛けられる。

振り返れば、なぜか瞳と藤城も一緒だった。

『何？』

「花音のお土産で悩んでるんだけどな～？ラッコのぬいぐるみかウツボのぬいぐるみどっちがいいと思う？」

『え、ウツボ？』

想定外の選択肢に思わず聞き返してしまった。

瞳を見れば、その手にはかなりの長さの斑点模様のウツボのぬいぐるみ。

おそらく瞳がウツボを選んで、拒否されたのだろう。

期待するかのような目でこちらを見てくるけど。

『…ラッコがいいと思うわ』

申し訳ないけど、そのセンスはわからない。

どうやら瞳のセンスはなかなかに独特なようだった。

そして結局。花音にはラッコのぬいぐるみを買っていた。

その後の私達がしたことといったら、敷地内のカフェでお茶を飲んだり、海辺をぶらぶらしてみたり。

おおよそ水族館でするであろう行動とはかけ離れたことばかりして時間を過ごした。

そして水族館からバスで今日の旅館まで移動し。

夕飯を美鷹の団体で食べた。

今、現在。

「うわー、広い」

理事長の指示通り、私達3人は4人の部屋にお泊りさせてもらうことに。

もともと8人部屋らしく、普通に広かった。

「あーもー疲れたーっ。ウィッグって頭蒸れるんだよー」

バサッと、豪快にウィッグを外す吉良。

「これからどうする～？先に温泉行くか～？」

ペットボトルのお茶を飲みながらみんなに問いかける秋山。

何げないその姿で色っぽいってなんだ。

「そうだな。さっさと済ませるか」

暁はバスの移動で肩が凝ったのか、ぐっと伸びをしながら頷いた。

その言葉にお風呂の準備をする4人。

私達3人は他の生徒にバレルわけにはいかないのでお留守番。

順番に、バスルームのシャワーを浴びた。

ウィッグから出ないように固めた髪やメイクを元に戻し、さっぱりして部屋に戻れば。

『･･･どういう状況？』

温泉から戻ってきていた4人。

部屋中に広がっているのは大量のお菓子と飲み物。

･･･アルコールはさすがにないみたいだけど。

よくまぁ、この短時間でここまで広げられたものだ。