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《聖夜side》
「うぅーっ。やぁっと着いたー」
ぐぐっと伸びをして、疲れた声を出す桃華。
私達の周りに他の生徒はいない。
空港についてすぐ、桃華とキャサリンと合流した。
飛行機の席は理事長の隣だったから、気を使って疲れたのだけれど、2人は生徒会メンバーに挟まれていたらしい。
理事長の隣でよかった。
『本当に私達、平和学習に同行しなくていいんですか?』
隣を歩く理事長に聞いてみる。
一応理事長の執事(という設定)なのだから側に居ないといけないのでは。
すると理事長はしれっとした顔で口を開いた。
「平和学習に同行すれば、口を開かねばならん機会も増えるからの。それに数人の教師はホテルに待機せねばならん」
『で、その待機を私達に?』
「そうじゃ」
ホテルに待機する役割を教育実習生と執事に任せていいんだろうか。
「そう不満そうな顔をするな。明日は自由に過ごしてもらって構わん。それに、」
手渡される、カードキー。
「特別待遇すると言うたであろ?ぬしらにはスイートルームを取ってある」
「は!?」
「スイート!?」
驚愕する2人の反応を楽しむように笑う理事長。
「ホテルの敷地内ならどこをうろついてくれてもよい。自由に過ごしてくれ」
"ではの"と。あっさりと私達から離れていく彼女。
取り残されたのは私達3人のみ。
それからフロントに確認して今日泊まる部屋に向かえば。
冗談でもなんでもなく、本気でスイートルームだった。
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作者名:聖夜 | 作成日時:2022年8月27日 0時