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「じゃあ、今の状況は良いのね?よかったぁ」


何はともあれ、とりあえず安心して顔を見合わせる。

これで、ようやく何も考えずに笑える日々が帰ってくると思ったのに。


「いや、状況は悪い。こっちが苦戦してる間に莉鏡ヒナに先手を打たれた」


陽平はまだ顔を強ばらせたまま。

テーブルの上にずっと置いてあった1枚の紙に視線を向けた。

昴と陽平を除いた4人でその紙を裏返して覗き込む。


「・・・これって・・・」

「退学届。皆に招集をかける直前に理事長が持ってきた」

「嘘よ!だって聖夜、私が辞めるって言わない限り辞めないって言ってたのよ!?」


それはちゃんと覚えてる。

転校前日の私の部屋で、透夜さんと電話していた聖夜が言っていたのをお風呂から上がってきた私は聞いたもの。

なのに・・・そんな・・・


「聖夜が退学なんてしたら・・・私・・・」

「落ち着け瞳!!」


うまく思考が回らずにいる私を綾が呼び戻す。


「瞳ちゃん、さっき言ってたことはほんと?」


陽平のその質問になんとか首を縦に振る。


「嬢、落ち着いてこの退学届もっかい見てみ〜?」


奏に差し出されたのを受け取り、もう一度見る。


「何か気になること、ない〜?」


横でいつものようにゆるゆる喋ってくれる奏のおかげで大分落ち着いてきた。

まだ心臓はバクバク言ってるけど。

まぁそんなことより・・・気になること、ねぇ・・・あ・・・


「ハンコ・・・?」

「そう、この退学届には"天宮"のハンコが一つも押されてない。だから、書類不備でまだ受理されてないんだ」

「じゃあ、まだ聖夜は退学してないってこと・・・?」

「そういうこと」


・・・びっくりしたぁ。


「それで、今日"莉鏡ヒナ"は朝からずっと人通りの少ない空き教室を一室占領してるんだ。この退学届を聖夜ちゃんに書かせたのは十中八九彼女だから、聖夜ちゃんが今日美鷹に来ることも知ってるはず、ということは」

「姐さんをその教室に連れ込もうとしてるってことね〜」

「そういうこと」


陽平は頷きながら、こちら側に自分が使っているのとは別のパソコンを向けてくる。

画面にはどこかの教室にいる莉鏡ヒナの姿。


「これがその教室に設置してある監視カメラからのリアルタイムの映像。もし聖夜ちゃんが連れ込まれたらすぐ教えて」


時間がたつにつれてどんどん上がる緊張感。

昴の携帯が鳴り響くのと聖夜の名前が叫ばれるのはほぼ同時だった。

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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年5月20日 23時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー!ありがとうございます頑張ります! (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー!!これからも更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました!ありがとうございます頑張ります!! (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:聖夜 | 作成日時:2018年8月14日 20時

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