156《花の人》 ページ6
「会議の時間が迫ってるんですから、早く職員室に移動してください！」
そんな彼の必死の一言も、彼女はどこ吹く風で聞き流す。
「そうそう、話の続きだったの、天宮嬢」
いや、彼ときちんと会話してあげてください･･･。
少し離れた位置で、彼が今にも泣き出しそうに「椿様！！」と彼女を呼ぶけれど。
例に洩れず、美しくスルー。本当に可哀想な人だ。
「ぬしに一つ、プレゼントをやろう」
『･･･は？』
その怪しさ満載の申し出に、思わず理事長に言ってはいけない言葉を発してしまう。
「そう。その名も"元王女特典"」
『･･････はぁ･･･』
どういう特権よ、それ。
ていうか、プレゼントも何も退学届出したんですけど。
「要は、生徒会特典と同じものを王女を降ろされてしまったぬしにも与えるということじゃ。今この瞬間も、ぬしは欠席にならんということだ」
『･･･あの、私退学するつもりで、ーー「椿様！」』
紡ぎかけた言葉は、私のそれよりも大きな声にかき消される。
「いい加減にしてください！また戯れ言を！」
「【戯れ言】？わしが何かを言って実行しなかったことがあるか？」
「ないですね！ないから言ってるんです！おかしなことをポンポンポンポンと！」
「うるさいの。若いくせに融通のきかんヤツよ」
「どうするんですか！どうせまた校長に怒られるんですよ、私が！！」
「うるさい男よのう。文句ならわしに言えと伝えればよかろうに」
「言ったところで貴女はいつもいないでしょう！いないことでまた私に小言が飛ぶんです！」
「おぉ、そうそう。会議に行かねば」
「なっ！！」
『あの、』
いつまでも終わらなそうな会話に、無理やり割って入る。
この危険地帯に長居するわけにはいかない。
『書類、お願いします。失礼しました』
それだけを言って、彼女達に背を向け、理事長室から出る。
扉の向こう側の会話なんて知らずに。
ーーーーーー
「その退学届･･･どうするつもりなんですか」
「この退学届自体は彼女の意志じゃ。我らにはどうすることもできんの」
「じゃあ、退学を認めるんですか！？俺は嫌ですよ！？せっかく居場所になりそうな場所が出来たというのに･･･！」
「誰も認めるとは言っておらんわ。受け取りはしたが承認印を押すつもりはない。だからこその"元王女特典"じゃ。それに、彼らも動いてるようだからの」
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
