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静かに優雅に食事を進めているのはやっぱり岬と、彼の隣に避難することに成功したのであろう瞳だけで。

これは私の勘だけど、どうやら岬は理事長のことが少し苦手らしい。まぁわからないでもない。

彼女の標的にされた人は面白おかしく弄り倒されるもの。榊さんしかり・・・、って。


『理事長』


私を間に挟みながらいまだに暁と言い合っている美しい人に声をかける。


「ぬ?どうした?」

『榊さんは、』


"大丈夫なんですか?"と続くはずだった言葉は、部屋に響く「椿様!!」という大声に掻き消されてしまった。

噂をすればなんとやら。


「なんじゃ榊、客人の前で。失礼だろうに」

「あ、申し訳ございません。・・・って、そうじゃないでしょうが!」


必死な形相の彼。

セクハラ扱いをされての放置プレイ。

失礼ながら榊さんに対して"弄りがいのある可哀想な人"という印象しかもう私の中にない。

ちらりと理事長を見れば、意地悪な目をしてほくそ笑んでいた。


「なんだ榊。セクハラの罪を認めて自首する気にでもなったのか?」

「んなっ!ですからわたしはセクハラなんて、」

「していないと?女子高生の生脚に触れておいて?」


まだそのセクハラの話題は継続されるのね・・・。

口ごもって狼狽する榊さんを見つめる。

藤城や秋山にいたっては、余興でも見ているかのような顔つきだ。嬉々としてこの状況を楽しんでいる。


「天宮さん!私セクハラじゃないですよね!?」

『・・・まぁ』


さすがにこのまま放置はあまりにも可哀想なので、セクハラでは無いことを認める。

実際、セクハラだなんて思ってなかったし。


「ほら、私はセクハラなんてしてないんです!」


それ見たことかと言わんばかりの表情で言いきった彼。

必死な彼から少し視線を外す。するとこの騒ぎの中、いまだに優雅に食事を続ける岬の姿があった。

我関せず。

私もできれば食事に集中したいけれど、まぁ無理な話だ。

隣には理事長が座っている。


「なんと、被害者の女子高生にかばってもらうとは。落ちたのう、榊」

「ちょ!・・・あぁもう、この人なんとかしてください昴様・・・」


切実に暁に懇願する榊さん。

頼まれた方の暁はというと。


「・・・なんとかできるなら俺は今ここに座ってねぇよ」

「・・・ですよね」


どうやら彼女のことは誰にも止められないらしい。

それからもなんだかんどと騒ぎつつ、長い時間をかけて昼食は終了。

結局、あまり味はわからなかった。

193→←191《昼食をご一緒に》



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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年5月20日 23時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー!ありがとうございます頑張ります! (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー!!これからも更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました!ありがとうございます頑張ります!! (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:聖夜 | 作成日時:2018年8月14日 20時

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