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『貴方達の友達も、私ではなく莉鏡ヒナよ。分かったら関わらないことね』





『・・・雪』


スミレとタクに絶交宣言のようなものをしてから数日。

私は部屋から1歩も出なかった。

最初の頃はドアの前まで藤城や瞳が来ていたが、エレベーターの暗証番号を変え、香山さんに誰も通すなと言ったら来なくなった。

今日は久しぶりに美鷹に行かなくてはならないというのにこの悪天候。

透夜は関西へ行ってしまっているから車を出してもらうことは不可。

全くもってツイてなさすぎる。

藤城と瞳に鉢合わせないように、だいぶ遅くに家を出て、美鷹へ向かう。

・・・昨日送られてきた退学届の書類を持って。





『失礼します』


転入してきた時以来、2度目の理事長室。

生徒会室と似た雰囲気の重厚感溢れるその部屋の奥に置かれている理事長専用の机。そこに彼女は堂々と座っていた。

艶やかな黒髪。

燃えるような赤い唇。

冬だというのに薄い着流しだけを美しく着た女性。


「黒髪の短い方、ということは天宮嬢か?ココに何の用じゃ」


浮世離れした雰囲気を身に纏う彼女こそ、暁の母親でもある、この美鷹の理事長。"暁椿"


『・・・退学届を、提出に』

「なぜじゃ?」

『それが最善だと思うからです』

「そうか・・・。では、天宮嬢。欲しいものはと問われたらなんと答える?」


暁の絶対的なあのオーラは確実にこの人からの遺伝だ。

何か、人を従わせてしまう力がこの人にはある。

強要などされていないのに。

適当にあしらうことだってできるはずなのに。

それをできなくさせてしまう人。

まぁ、そう簡単に屈して彼女の思い通りの答えを答えるつもりもさらさらないけれど。


『・・・なんでしょうね』

「ほぉ?自分のことなのにわからぬのか?」

『人は案外自分のことが1番わからないものですから』


実際、からっぽの私には自分が何を求めているのかわからない。


「・・・ふむ、そうか」


腕を組み、何度か頷く彼女。


「気に入った」


そう口角を上げて、楽しげに微笑む。


『では、ーーー「椿様!!」』


退学届も渡して用事は済んだのでさっさと帰ってしまおうと思った時。

突如響いた、男性の声。


「榊か。何をそんなに慌てておる」


メガネをかけた、30代くらいの男性。

常日頃、理事長に弄ばれている理事長のお付きの人。

彼単体なら落ち着いた大人の男性に見えるのだが、彼女の前だと少々子供っぽく見えてしまうのが残念なところ。

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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年5月20日 23時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー!ありがとうございます頑張ります! (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー!!これからも更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました!ありがとうございます頑張ります!! (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:聖夜 | 作成日時:2018年8月14日 20時

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