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「天宮嬢、白状しよう」
先程とは少し声色が変わり、真剣味の増したそれに、思わず顔を上げれば。
嘲笑するように微笑む、理事長の姿があった。
「莉鏡の娘の転校を許したときから、大体の結末は見えておった」
驚くべき言葉のはずなのに、私はその言葉をすんなり受け入れていた。
それは私も同じだったからかもしれない。
大体の結末が見えていたと言われても、あぁやっぱりねと素直に受け取ってしまう。
「莉鏡の娘の動き方も、昴の動きも、生徒会の面々の動きも、天宮嬢の動きも、大方読めておった」
『それは、彼女の父親が逮捕されることも、2人が結ばれることも･･･？』
「予想していたことでの。ただ、」
ふいと視線を外して、彼女は鉄格子のついた窓の外を見つめる。
「ただ"あの日"のことは、予想しておらんかった」
ふい、とまたその漆黒の瞳を私に向ける。
それに囚われた私は、ろくに身動きも取れないまま。
ただただ彼女の言葉に耳を傾けていた。
「実はの、天宮嬢。わしは一連のことでぬしと華月嬢の秘密があの面々に知られればいいと思うておった」
秘密。
瞳の記憶がないという事実と。今の記憶が消えるかもしれないという事実。
そして、私と瞳の関係。
「知ればヤツらはぬしを放すまいとすると知ってっおったからの」
彼女の想像通り、確かに彼らは私たちを放さなかった。
離れることを、許してはくれなかった。
「ただの」
キシリ、ソファーが鳴る。
「ぬしが襲われるなどとは、思うておらんかった」
カチッとどこかで小さく音がしたかと思えば。
ボーン、ボーンと低く壁掛け時計が鳴った。
「最終的には、わしの望んだ結末になった。だが、ぬしの心に傷をつけたのはわしじゃ。ぬしが傷ついたのも、嫌な思いをしたのも全て私の責任」
するり、滑るようにソファーから下りたと思えば。
彼女は床に両手をついて、深々と頭を下げた。
美しい着物が、汚れることも厭わずに。
「すまぬ」
信じられない今の状況に、どうしようもなく目眩がした。
時計が12回鳴って音を止めたのと同時にようやく私の頭は動き出し、弾かれたように口を開く。
『や、頭上げてください！？私、謝られるようなことないですから･･･！』
「いや、詫びねばわしの気が済まん」
学校の最高責任者がなんで私に頭を下げてるんだ！
それに詫びなければいけないのはどう考えても私だし！？
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
