185《ご招待》 ページ35
車は学校まで迎えに来てくれるそうで、その間に岬と雪塗れの4人を生徒会室に押し込み(遊びたりないのかバカトリオには散々抵抗されたけど)着替えさせ。
何を食べるのか最終的に決まらないまま数分。
校門に横づけされた黒塗りの車。
それを見た瞬間、あぁ暁の家の車かと思った。
「"コレ"でもいいか?瞳、聖夜」
やっぱり。
不安だったのかもしれない。自分の家を知られること。
もしかしたら"家"のせいで別れを経験したことがあるのかもしれない。
"家"なんて関係ないのに。
『車は車でしょ』
そう言って暁の横をすり抜け、ガチャッと車のドアを開ければ。
「久しいの、天宮孃」
珍しくかっちりと着物を着た、理事長の姿があった。
広い車内ですらりと美しく座っている理事長。
戸惑う私達をよそに、「まぁ乗れ」とぽふぽふシートを叩く。
「なんでいんだよ、ババァ」
暁が不機嫌な声を出す。そんな彼の態度に、彼女はとても秀麗に口角を上げた。
そして。
「口の利き方がなっておらんの。沈めるぞ、餓鬼」
まさかの暴言。まさかの迫力。
この車に平然と乗っているのも伊達じゃない。
「降りろよ。俺が呼んだのは車だけだ。ババァに用はねぇ」
この世にこんなにハードな親子喧嘩があるものなのか。
「わしも、ぬしのような態度も改められん餓鬼に用はない。天宮孃」
『・・・はい?って、わっ!?』
こんな細い身体のどこにそんな力があるんだと聞きたくなるくらいの力で、ぐいっと腕を引かれる。
その勢いで、あっさりと私の身体は車のシートに沈んだ。
次の瞬間には、バタンとドアが閉まって。
スモークで見え辛いけれど、ドアの向こう側には眉間に皺を寄せる暁の顔。
そして呆気に取られている生徒会の面々の姿があった。
「出せ」
至極、楽しそうな表情で運転手に訃げる。
「はい」と返事をした運転手は、あっさりと彼らを置き去りにして走り出した。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます!頑張ります! (2019年5月20日 23時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです!これからも頑張ってください!! (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー!ありがとうございます頑張ります! (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー!!これからも更新頑張ってください!!楽しみにしてます! (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました!ありがとうございます頑張ります!! (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:聖夜 | 作成日時:2018年8月14日 20時