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じりじりと近づく彼に、じりじりと下がる私。
そんな攻防は私の背中が自販機についたところで呆気なく終わりを迎え、逃げ場もなく追い詰められる。
わかった、私が悪かった。
この絶対的王様な彼が少しでも乱れるところが見たいと思った私が悪かった。
悪かったから。
『･･･近い･･･っ』
両手を突っ張って必死に距離を詰められないように抵抗するけれど。私の両手首を掴んだ彼は、あっさりとそれを崩してしまう。
『っ岬！！』
私が出せる最大音量で、雪に塗れるオレンジを呼ぶ。
私が今全く関係ない人の名前を呼んだことが気に障ったのか、暁は眉根を寄せて私からすっと離れた。
離れる直前、私の耳に口を寄せて一言。
「･･･次はお前が何叫んでも、手加減しねぇからな」
甘く、低くそう吐き捨てて、いとも簡単に私の心を揺らす。
「どうしたの？」
雪を払いながら近づいてきた岬の柔らかさに、安堵の息をつく。
暁はもう黙ったままで、雪の中で遊ぶ4人を見つめていた。
『なんか今からご飯食べに行くらしいわ』
「ん？昴が言い出したの？」
こくり、頷く。すると岬は困ったように「また急に」と呟いて笑った。
「どこいく気なの？昴」
岬の質問に、彼はすっと視線をこちらに向けるだけ。
そしてやっと口を開いたと思ったら。
「聖夜、何が食いたい？」
まさかのノープラン。
『何って言われても･･･。岬は？』
「俺？俺はなんでもいいよ。他の4人にも聞いてみたら？」
『ダメ。藤城はどうせ牛丼だし、秋山は女とか言いそうだし、吉良はジャンキーだし、瞳はなんでもいいって言いそうだし』
「まぁそうだね。昴は何が食べたいの？」
ちらり、暁に視線を向ける。
少し考えてから。
「聖夜ーー「うん、知ってるけどそれ以外で」」
紡がれる言葉を途中でぶった切る岬。
私がなんなのかしら。
「･･･とりあえず車だけ呼ぶか」
結局決まらないようで、そう呟いて携帯を取り出した暁。
車ってどこの車なのかしら。
そう思いながら、暁が電話をかけるのを隣で黙って聞いていた。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
