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「天宮」
『はい？』
話しかけられると思っていなかったので、微妙な返事をする。流れ的に先生と暁が会話すると思っていたから、油断していた。
「昼飯、食いに行くか？」
『は？』
「話聞いてやるぞー」
別に聞いて欲しい話はないけど、聞きたいことならある。
『じゃあーー「行かねぇよ」』
ぐいっと腕を引かれて、背後からすっぽりと身体を覆われる。
すぐ近くで暁の息遣いが聞こえて思わず、くっと眉根を寄せた。
「今から俺らでメシ食いに行くから、おっさんは自分の城に帰れよ」
「おま、誰がおっさんだよ。いいよ、戻るから。じゃあな天宮」
ひらりと手を振って、余韻も残さずに立ち去る皐月先生。
その姿を見えなくなるまで見送りながら、ふと今の状況を考える。
いまだに耳元で聞こえる、彼の息遣い。
『･･･暁』
「ん？」
『いつまでこの体勢でいるつもり？』
ぐいっと暁の顔を手のひらで押す。
彼は短く息を吐いたあと、「仕方ねぇな」と言って離れた。
気を取り直して、正面から彼を見据える。
『お昼食べに行くなんて、いつ決まったのよ』
「ん？さっき俺が決めた。腹減ったしな」
･･････自由人。
はぁ、と小さく息を吐く。手の感覚があまりにもないので、その息で指先を温めていれば。
ひょいっと、私の顔を覗き込んでくる彼。
こんな綺麗な人が上目遣いだなんて、反則だと思うんですけど。
『･･････』
黙ってじっと彼の目を見つめる。
するとニヒルな笑みを浮かべて、私に言った。
「寒いなら抱きしめてやろうか？」
あぁもう。絶対私遊ばれてる。
近づいた彼の顔を直視出来なくて、ふいっと視線をずらす。私だけ遊ばれるのがなんだか癪で、思わず。
『じゃあ抱きしめて』
なんて言ってしまった。
たまには戸惑えばいいと思いながら暁を見れば。
『っ、』
今まで見たことのないような熱っぽい瞳で私を見つめていて。それに戸惑うのはまた私の方。
彼を焦らすなんて、私にできるはずもなかった。
それどころか。
『！』
一歩、距離を詰められる。
比例するように、私も一歩後ろに下がった。
「聖夜」
"本気"なその声に、焦るのも戸惑うのも私の方。
変に抵抗などせずに、いつもの様に軽く流せばよかった。
なんて思っても、言ってしまったのだからどうにもならず。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
