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「なんで、ダメだと思うんだ？」
まさかの質問返し。本気で聞いているんだろうか、彼は。
『なんでって･･･。私、暁の恋人じゃないし。退学したからここの生徒じゃなくなったし。そしたら、生徒会役員でもないし･･･』
この場所に座れるのは、王女だけじゃないか。
別に間違ったことは言ってないと思うのだけれど。
そう思って、内心首を傾げる。
その瞬間、キシリとソファーが鳴った。そして。
「恋人になればいいだけだろ？」
なぜか急に距離を縮める暁。
ソファーの端に、追い詰められる。
『ちょ、何･･･っ』
「なぁ」
触れそうになる。
彼の唇が、私に。
今までとは違う、濃い空気にたまらなくなって、思わずギュッと目を瞑る。
「俺の女になれよ。ちゃんと」
ドクンと。滑稽なほど心臓が跳ねた。
呼吸が乱れる。
少しも動けない。
「聖夜」
呼ばれても、目を開けられない。
その代わりに、投げやりに口を開いた。
『ッ無理･･･っ』
目を閉じているけれど、なぜか更に彼との距離が狭まったのがわかった。
「理由は？」
声が近すぎて、目眩がする。
『私は、恋人とか、作らないって、決めてるから』
上ずる声でなんとか告げる。
こんな距離、無理だ。
というか、なんで私はこんなに動揺してるんだ。
「それは、俺らに言えないことが原因か？」
吐息が肌に触れる。
少し甘さを含んだその声に、鼓膜と一緒に胸も震えた。
『それもあるけど･･･っ。でも、』
「聖夜、目開けて、こっち見ろ」
一度深呼吸して、思い切って目を開ける。
やっぱり近い彼との距離に、身体中の熱が頬に集中する。
顔が赤くならないようにするのに、必死だ。
「理由は？」
再度、同じ質問。
近いながらも、必死に目を逸らして答える。
『そもそも、"好き"とかいう感情がよくわからないから･･･っ』
「･･･そうか。なら、」
吐息が指先に触れる。
違う。吐息だけじゃない。
『っ、』
指先に、彼の唇が触れる。
「お前が俺に惚れるまで、俺の傍から離れるな」
『っ、そ、んなの』
「"王女"だのなんだの関係なく、傍にいろ」
必死に逸らしていた目を覗き込まれる。
あぁ、やばい。
「･･･返事、しろよ」
目の前の、黒い瞳に、呑まれる。
怖くてたまらない。今まで押し殺してきた感情が芽生えてしまうことが。
「傍にいる、だろ？」
そう言って、指先に再び触れた唇のせいで。
重力に従うようにゆるゆると頷いた。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
