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「って、ちょっと待ったー！聖夜ちゃんどこ行こうとしてんの！？」
突然の吉良の叫び声に思わず振り返る。
生徒会メンバーも立ち止まった。
『どこって･･･家だけど』
「いや、何しれっと帰ろうとしてんのさー！」
『は？･･･いい加減寒いから早く帰ってシャワー浴びたいんだけど。あと、私もうここ退学したから』
そもそもここの生徒じゃなくなった時点でこんなに長居してちゃダメでしょう。
『じゃあそういうことだから』
まだ「むーっ」と唸ってる吉良は放って踵を返すと。
「いいから行くぞ」
暁に手を引っ張られて無理やり方向転換。
生徒会室の方へしっかり私を連れていこうとする。
『ちょっと暁！？話聞いてた！？』
「聞いてた」
『じゃあ何で！』
「いいから黙ってついて来い」
どこまで王様なのよ･･･！
「待って聖夜ちゃんー」
間延びした声。
待ちたいけれど手を引かれてる私には聞けない頼みだ。
『今度は何？』
もうここまで来てしまったら諦めて、されるがままになりながら返事だけ返す。
すると彼はおもむろに私の空いている方の手を握った。
「僕も手、繋ぐー」
･･･もう、好きにすればいい･･･。
3人で手を繋いでいるような、この滑稽な形で辿り着いたのは案の定生徒会室で。
ぴたり、足を止める。
その重厚な扉を潜るのは、どうしても躊躇われた。
だって私、もう生徒会役員じゃないし。
というか、退学してるし。
ここに入るのは、違うんじゃないの？
『私、ここには、』
"入れない"と続くはずだった言葉は途中で消える。
急にぐらついたと思えば、次の瞬間にはもう暁に担がれていて。
『ちょ、』
「話はあとだ」
抗議の声も、切り捨てられる。
そのままずんずんと進んで、ガチャリと開けられたドアの向こうは。
シンプルで、必要なものしか置かれていない部屋。暁の、部屋。
私を下ろして、クローゼットの中を漁る彼。
「ん」
手渡されたのは、真っ黒なスウェットの上下。
意味がわからなくて首を傾げると。
「風呂入れ。寒いんだろ」
『え、でも』
「なんなら」
詰められる距離。
濡れた瞳に、官能的な甘い声で。
「"違う方法"で、一緒に温まるか？」
やけに"一緒に"を強調しながら、妖艶にそう言い放った。
ザアァァァァと、ノイズのような音が頭に響く。
暁の言葉を丁重にお断りした私は、慌ててバスルームに逃げ込んだ。もちろん1人で。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
