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そうこうしているうちに近づいて来た学校。
ゆるゆると大きくなるそのシルエットを、妙な気分で見つめた。
「どうした？気分でもワリーのか？」
くっと眉間に皺を寄せながら覗き込んでくる綾。
なんだかんだでこの人は心配性だ。
「んーん。なんでもない」
「･･･今日は教室行くのか？それとも生徒会室か？」
「今のセリフで私、自分が最近サボりすぎだってことに気づいたわ」
朝から生徒会室って･･･。
「あー？お前桜場出身なんだから美鷹の授業くらい楽勝だろ？」
「ちょ、出身校出さないでよ」
けらけらと笑いながら悪びれもせず謝ってくる綾。
全然悪いと思ってないでしょ･･･。
「それじゃあ教室行くのか？」
「･･････生徒会室」
瞬間、弾かれたように笑う綾。
目に涙まで溜めながら、「結局サボんのかよ」なんて言って笑った。
「綾のせいで不真面目になってきてるわ、私」
「なんで俺のせいなんだよ」
軽口を叩きながら並んで歩く。
彼と一緒に登校するのは嫌いじゃない。
言わないけれど。
「そういや、今日はカナがお前の弁当作ってくんだろ？」
「うん、そうなの。風邪のあとだから栄養のあるもの食べろって」
「なんつーか、マメだよなアイツ」
「ふふ、うん」
廊下の窓から冬にしては少し強い日差しが入って来る。
時折聞こえる、上靴と床が擦れる独特の音。
「･･･ん？」
ピタ、と立ち止まる綾。
鋭い目つきで、まだ少し遠い生徒会室を見つめた。
「･･･？どうしたの？」
「いや、なんか声が･･･」
「声？」
耳を澄ませてみれば、確かに微かに聞こえる誰かの声。
なんなの？朝から一体･･･。
「何か、あったのかしら」
踏み出そうとする私の前に腕を出して、それを制止する綾。
ピン、と空気が張り詰める。
聖夜も動きを止めて、様子を窺っている。
じっと見据えていると、急に部屋のドアが開いた。
そこから出て来たのは。
「･･･優斗？」
赤いちょんまげを揺らした、彼。
声をかけようと口を開いた瞬間。
「っこんなのってない！！」
生徒会室の中にいる”誰か”に向かってそう叫ぶ優斗。
思わず彼に駆け寄る。
危険はないと感じたのか、綾はすんなり行かせてくれた。
「優斗！」
パタパタと走って彼に近づく。
私を見た瞬間、とても驚いた表情をする優斗。
「ひ、とみちゃん！？」
「どうしたの？何かあったの？」
聖夜は私が優斗についている間に部屋の中に足を進める。
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聖夜(プロフ) - 天宮さん» ありがとうございます！頑張ります！ (2019年5月20日 23時) (
レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
天宮(プロフ) - この小説とても面白いです！これからも頑張ってください！！ (2019年5月20日 20時) (レス) id: 9819c94959 (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ちゅんさん» お待たせしましたー！ありがとうございます頑張ります！ (2019年3月31日 9時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
ちゅん(プロフ) - 待ってましたー！！これからも更新頑張ってください！！楽しみにしてます！ (2019年3月31日 1時) (レス) id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
聖夜(プロフ) - ラビットさん» お待たせしました！ありがとうございます頑張ります！！ (2019年3月31日 0時) (レス) id: 8b1588b2b7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：聖夜 | 作成日時：2018年8月14日 20時
