猫かぶり王子と私［stm］

21話 ページ25

Aside

さ「あぁー！ケーキが食い足りねぇ！！」

里見がぎゃあぎゃあ騒ぎ出した。

まったく、子供みたいだなぁ。

『里見！』

さ「あ？」

『今度は私がケーキ、作ってあげるから騒がないで』

さ「Aが…。」

里見は驚いたように目を見開いた。

『う…うん！お菓子作り得意だし！』

り「じゃあ僕の分も！」

莉犬くんがフォークを持ってソファーから乗り出して

きた。

『うん！飛びっきり美味しいの作るからね』

さ「…バッカじゃん」

『な、なにぃ』

な「まぁまぁ里見、Aさん…やめてぇ」

紫音君が里見の肘でつついた。

さ「…嘘だよ…。楽しみ！」

『里見…！』

それから私は、桃山家専属のパティシエにケーキの

作り方を何度も教えてもらった。

そして今日、初めて里見に試食してもらうんだけど

『里見…。どうかな？シュークリーム…』

さ「うん。中々美味しい」

里見はニコリと笑い、私の作ったシュークリームを、

すべて食べてくれた。

よかった…！

里見、喜んでくれて！

莉犬くんにも作ってあげなきゃね！

次の日の朝＿

机の上に水の入ったコップが置いてあった。

私が里見に試食してもらい、私は疲れて先に寝て、

あの後、里見がお腹を壊し、医師が来たことなど

私は知るよしもなかった…

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