【utit】自 作 自 演 の キ ス 魔 、 ま ふ ま ふ【mfmf】

キス魔 ３ ページ4

『あはは、やっぱり負けちゃった』

ゲーム画面には負けの２文字が浮き出ている。
私はコントローラーをその辺に置くと、ごろんと寝転んだ。
まふがゲームが強いのは知っていて、ちょっと戦ってみたいと思って誘った。
でも、普通の誘いじゃ断られるかななんて思って罰ゲーム付きにしたのだ。
どーせ軽いやつだろうし。
それに私が笑えばまふは絶対やるし。
まぁそんなに笑ったことないからね。

『さてと、まふ。罰ゲームどうする？』

「罰ゲーム･･･じゃあ、Aからキスして」

『私からまふに、キス･･･するの？』

「そう。ダメ？というか、罰ゲームだし拒否権ないからね？」

『･･･分かってるけど、ちょっと待って。心の準備があるの！』

思わぬ罰ゲームに心臓が早くなる。
まふからのキスは慣れてるというか、なんというか･･･
でも私からのキスなんてしたことないし、私自身もした経験がない。
チラッとまふを見ると、じっと私のことを見つめていた。
逆に緊張する！
しょうがない･･･

『･･･まふ、あの、目、瞑って？』

「えー？」

『お願い･･･恥ずかしくて出来ない･･･』

「しょうがないなぁ･･･ん、瞑ったよ」

私は瞑ったのを確認すると、そっとまふに近付いた。
目の前に来ると分かるけど、ほんと顔整ってるんだよなぁ、まふ。
あーもう、見てると緊張してくるんだよぉぉ！
心の中で嘆くと、軽く唇に触れて離れた。

『終わった。･･･ん！？』

後ずさろうとしたとき、まふに腕を掴まれて引き寄せられ、キスをされた。
何度も何度も、角度を変えて。
離れようと思ってもいつの間にか頭の後ろと腰に手が回っていて動けない。
まふのくせに、引きこもりのくせに、上手いのむかつく！
それよりも･･･

『んっ･･･ま･･･ふ･･･っ･･･く･･･るし･･･』

まふは名残惜しそうに唇を離すと、私が流していた涙を拭った。

「ふふっ、ごちそうさま、A」

そう微笑むまふ。
･･･憎たらしいのに、胸が痛くなるのはなんでだろう。

『っ･･･さっさと家帰れ！バカっ！！』

「そんなに怒んないでよA〜」

恋なんて、信じない。
だってまふには、好きな人がいるから。

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