番外編Part2 ver.キヨ ページ21
疲れた…
やっべ、疲れすぎて倒れそ…
ブラック企業に勤めて2年。
ブラックだけどまぁ、働くの好きだし、
大丈夫でしょ。と、思い勤めていたが結構身体的にくるものがあっていたらしい。←無自覚
現在11時。残業代も出ずに黙々と働いて帰って来たのは良いが鍵を探す気力すらもおきず、ドアの前で突っ立っていた。
しばらくそうしていると段々体から力が抜けてきて、いつの間にか冷たい床に腰を降ろしてしまっていた。ドアにもたれてぼーっとする。
こんなに自分は疲れていたのかーと、働きすぎた脳でさらに考え始めてしまった。
もういっそ、辞めよっかな。でもやっぱり新しい職場探すのも面倒だしな。
そんなこんなではっとした時にはもう30分ほどそこに座り込んでいた。
はーっとため息をついて立ち上がろうとしたその時、誰かがエレベーターの方から歩いてくるのが視界に入った。
キ「A!?どした!?立てる?(家の鍵を開けて)はい、掴まって」
歩いて来たのは、キヨだった。
私が座り込んでいるのを見て駆け寄ってきてくれたのだ。
「キヨ?なんでここに……」
家に入りながらキヨに聞いた。すると、
キ「やっぱり見てないよね…一応連絡入れといたんだけど、Aとしばらく会えてなかったし、最近寒くなってきたから風邪とか引いてないかなって心配して来たんだけど…ごめん。合鍵使って勝手に中入っちゃった…」
そう言いながら私をソファに座らせてキッチンの方へ行ってしまった。
なにか暖かい飲み物を作ってくれている様子。キッチンからいい匂いがしてくる。
いい匂い…と思いながら何気なく部屋を見てみた。最近まともに家に帰ってこられなかったが故に散らかったままだった部屋が片付いている。
キヨが片付けてくれたのか…なんか悪いことさせちゃってるな…ただでさえ私は何もキヨにしてあげられていないのに…
なんか、全部嫌んなっちゃう…
自然に口が歪む。愛想笑いのしすぎでもう心から笑うこともほとんどなくなっていたのに。自然と涙も溢れてくる。
そんな時、キヨがキッチンから戻ってきた。私が泣いているのに気づいて机に作ってきてくれたココアを置いて静かに隣に腰掛けてきた。そっと背中をさすってくれた。
私が落ち着くまでずっと隣で背中をさすってくれていた。
「いろいろ迷惑かけてごめんね。部屋とか片付けてくれてありがと。もう、大丈夫」
これ以上キヨに迷惑はかけられない。迷惑かけすぎて呆れられてたらどうしよう…
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作者名:雨夜と書いてアメヤと読む | 作成日時:2022年9月22日 20時