眠り姫と。【Fukase・Nakajin】 (ページ40)

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迷子。【Fukase side】ページ40

「うわあぁっ!綺麗〜!!」

「これウニだけど(笑)」

初めての水族館にテンションMAXのAは、水槽の端っこの海藻にもいちいち反応している。

子供っぽくて、可愛い。

今日は平日で、小さな子供を連れた家族が多かった。

そうなれば、当然迷子は出てくる。

「慧、あの子迷子かな？泣いてる…」

「ほんとだ。ちょっと戻ろうか。」

その迷子の子は、3歳か4歳の女の子。

Aはその子の目線に合わせて膝をつき、涙を拭いている。

「はぐれちゃったんだ…慧、迷子センター行こう。」

「お兄ちゃん、だっこぉ」

「へっ？だっこ？！」

「だっこしてあげなよ〜(笑)お兄ちゃん(笑)」

Aは俺のバッグを持って、迷子センターまでの道のりを地図で確認している。

小さな子をだっことか初めてだし、何より俺の悪人面で泣かれないだろうか。

俺とAと女の子で水族館の中を歩き回る。

迷子センターに到着すれば、そこには女の子の母親がいた。

「ママ〜！」

「すみません！ご迷惑をおかけしました！ありがとうございました！」

「お姉ちゃん、お兄ちゃんありがと！」

「いえいえ(笑)次ははぐれないでね(笑)」

Aの優しさに改めて気づいた

恐らく、水族館１の思い出になった出来事。

なんだろーな。

Aの優しさに改めて惚れた。