眠り姫と。【Fukase・Nakajin】

宣戦布告？【Fukase side】 ページ34

結構歌って、未成年者はカラオケから出なければならない時間がやってきた。


あの安い値段であれだけ歌えたら結構得じゃね？


「…そうだっ!!A今日ピアノだよ!!私達先行くね〜!!!」



「えっ?!ちょっ!!?彩織っ!?」



彩織ちゃんは、Aの手を引いて走っていってしまった。




Aってピアノ習ってたっけ？(笑)




習ってたのバイオリンとか言ってなかったっけ(笑)



あー(笑)そういうこと(笑)






なかじんと俺、2人きりになる時間を作ってくれたのか。




少しの沈黙が居心地を悪くする。



何を話せばいいんだろ。




そんな中、なかじんは口を開いた。



「…深瀬…俺さ、前…保健室で




Aちゃんに…キスした。」





「……」





いや、意味わかんねぇし。




キスとか、俺もちゃんとした事ねぇのに。





「ごめん……俺さ、Aのこと好きなんだよ。


深瀬と付き合ってるのだってわかってる。



でも諦められない。




…だからさ、"深瀬がAを傷付けたり裏切ったりしたら"奪っちゃうからね。」






なかじんの顔は、どこか自信ありげだった。









「…そんなことはないから安心しなよ。


何があろうと、Aは渡さない。」





俺らは睨み合い…なんてせず、





お互い自信満々の顔で握手を交わした。

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