眠り姫と。【Fukase・Nakajin】

限界。【Nakajin side】 ページ18

触れるだけのキスをし、顔を上げると



Aちゃんは泣いていた。




「Aちゃん……」





ああ。








何やってんだろうな俺は。








「…もう…止めて…」








なんで俺は好きな人を傷つけてしまったんだ。






「ごめん…。」




俺はベッドから降り、そう言うことしか出来なかった。




Aちゃんは手で顔を覆い嗚咽を漏らしながら泣いていた。




「……真一君」









Aは俺の事を見ずに、保健室から出ていこうとした俺を呼び止めた。









「…もう…邪魔しないで…」









なんでかなぁ。









自業自得なのにさぁ。









なんで涙が出るんだよ。









Aちゃんはこちらを向いて悲しそうに笑ったんだ。








「ごめんね…」






なんで謝ったの？









それは、俺の気持ちへの答え？









俺は唇を噛み締め、保健室を出た。









こんなに辛い恋なんて







しないほうが良かったのになぁ。








ごめんな。








深瀬、Aちゃん。

独占欲。【Fukase side】→←馬鹿。【Nakajin side】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す