好きな人の好きな人の好きな人 (ページ8)

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「Aちゃん好きな人おる？」

今までだってこの手の話は散々してきたはずなのに突然このタイミングで舞ちゃんがそんなことを言い出すから掴みかけた玉子焼きがまた、お弁当に着陸した。

まさか、こないだの一瞬で私がアホのサル呼ばわりしてる岸くんを好きになったなんて、バレてない。バレてるわけがない。

「おらへん。」

少し胸が痛むけど、嘘をついた。
舞ちゃんが岸くんと知り合いじゃなかったら話せたかもしれないけど。

罪悪感でいっぱいで舞ちゃんの顔見れないけど、なかなか返ってこない返事に痺れを切らして顔を上げた。

舞「そっかぁ。」

私の予想とは違い何故かもじもじして嬉しそうな様子で、まるで私の返事なんて何でも良かったんじゃないかってくらい。

あぁそっか。

女の子が質問するときは、自分の話を聞いて欲しい時と何かで読んだことがある。

目の前に居る彼女は正にそれだ。何か言いにくいけど、今すぐ言いたい聞いて欲しい様なそんな感じ。

「舞ちゃんは？」

聞くと、パアアっと花が咲いた様に笑う
なんて可愛らしいんやろう。恋をするとこんなに可愛くなるのか。

ある可能性が頭によぎった瞬間、ふわふわした気持ちが一転してどしゃ降りになった。

まさかまさかまさか、アホのサル呼ばわりしてたのは好きの裏返しだったのだろうか。